一人暮らしの高齢者

自宅は危ない?高齢者の一人暮らしをサポートする見守りシステム

昨今では「高齢の親が自宅で一人暮らしをしている」という状況は、特に珍しくはありません。
一人暮らしの高齢者は年々増加しており、高齢化社会におけるひとつの課題にもなっています。”近所の人が気にかけてくれる”、”市や町が支援してくれている”、”毎日電話で確認している”そんな状況であっても、自宅での事故や容態変化に誰かがすぐ気づいてくれるかは分かりません。実は高齢者の一人暮らしは、様々な危険性を秘めているのです。
そこでここでは、「高齢者の一人暮らしによる危険性と事故」「容態変化を早期発見する重要性」などから、一人暮らしの高齢者が抱えがちな問題をサポートするための「見守りシステム」についてまでお話ししたいと思います。

住み慣れた自宅を離れたくない気持ちと、高齢者一人暮らしの危険性

冒頭で述べた通り、高齢化社会が進む日本では高齢者の一人暮らしが増えている現状があります。1980年の頃は881人程だったものが、2000年には3,032人、2010年には4,791人まで増加。今後さらに増えていく推計も出ていて、2020年には6,679人、2030年には7,298人まで増える予想がたてられています。※1
※数値は65歳以上の一人暮らし高齢者の男女計になります。

自宅で介護をして欲しいと思う人が4割

介護を受けたい場所

一人暮らしが増えている要因の一つとして、住み慣れた自宅を離れたくないという高齢者の希望があります。※2上図の内閣府の意識調査によると、男女ともに「自宅で介護してほしい」と考えている方が最も多いようです。男性に至っては、半数近くが自宅での介護を希望しています。

安全だと思っていた居室が…まさかの危険地帯

「住み慣れた自宅だから安心」とは言えないのが、高齢者の実情です。国民生活センターに提供された高齢者の事故情報によると、住宅での事故の割合が高いそうです。その中でも、特に事故が多いのが居室。安心して過ごせる場所が一転、高齢者の身を脅かす危険地帯になりえることがわかります。

事故発生場所TOP4

  • 居室 45%
  • 階段 19%
  • 台所・食堂 17%
  • 玄関 5%

出典:国民生活センター【衣装機関ネットワーク事業からみた家庭内事故-高齢者編-】

では、居室で起こる一番の危険性とはなんなのでしょうか。それは転倒・転落に関する事故です。小さな段差につまずいて転倒したり、ベッドから降りる時に転落したりという事故の内容が多いそうです。よくありがちな転倒・転落も、高齢者にとっては骨折の原因になるので軽く考えてはいけません。骨折から入院して動けなくなってしまい、足腰が弱ってそのまま立てなくなってしまうこともあるそうです。行動が制限されることで脳が影響を受け、認知症を患ってしまうことも。

脳卒中によって要介護度5になった割合は、33.8%

高齢者が寝たきりになってしまう一番の原因は、脳卒中です。骨折によって要介護度が5になった割合が「7.5%」なのに対して、脳卒中によって要介護度が5になった割合は「33.8%※3」と、実に4倍以上です。さらに脳卒中は、発症してからの発見が遅れるほど死亡する危険性が高くなります。高齢者の一人暮らしにとって、これほど危ない疾患はありません。

高齢者が寝たきりになる原因ランキング

  • 1位 脳血管疾患(脳卒中)
  • 2位 認知症
  • 3位 高齢による衰弱
  • 4位 関節疾患
  • 5位 骨折・転倒
出典:厚生労働省【要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合 】

このように、高齢者は自宅でもちょっとしたことで大怪我をしたり、突然の病気で重症になってしまったり、一人暮らしをする上での危険が多くあります。とはいえ、一人暮らしをせざるを得ない状況の高齢者はたくさんいるはず。そこで次は、一人暮らしの高齢者に何か問題が起こった時、どう対処して高齢者をサポートするべきなのかについてお話しします。

高齢者の一人暮らしで重要なのは”早期発見”

まず結論から言うと、何か問題が起こってしまった時に一番大事なのは”早期発見”です。怪我にしろ病気にしろ、いち早く気づいて処置をしなければ、危ない状態になりえるからです。

実例紹介:怪我で動けなくなってしまった恐怖

ではここで、一人暮らしの高齢者を襲った実際の事例をご紹介したいと思います。

一人暮らしの高齢者Aさん。トイレへ入ろうとしたところ、段差につまづき転倒。腰を強く打って動けなくなってしまい、日中トイレの前で座り込むしかできませんでした。その後、偶然用事があり実家に訪れた息子に発見してもらい事なきを得ましたが、誰も来なかったらと思うとヒヤリとします。

このように何か起きてからでは連絡をする手段がなく、最悪の場合1日中その場から動けずに衰弱してしまう危険性があります。また、転倒・転落の仕方によっては頭を強打する可能性もあります。頭への衝撃は脳出血などの緊急事態に繋がる可能性もあり、気軽に考えていると命が危険にさらされるため注意が必要です。

家庭内事故の危機の程度は、高齢になるほど重症化する傾向 軽症:入院を要しないもの
中等症:生命の危険はないが入院を要するもの
重症:生命の危険の可能性があるもの
※生命の危険の可能性があるものとは、重症度・緊急度判断基準において、重症以上と判断されたもののうち、死亡及び重篤を除いたものいう。

脳卒中の年間死亡人数は、114,207名

脳卒中は、大きく分けると3つに分類されます。「くも膜下出血」と「脳梗塞」と「脳出血」です。この三つの中で最も患者数が多いのが、脳梗塞です。脳梗塞は、発症後4.5時間以内ならt-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)治療という薬剤による専門的な治療を受けられます。またカテーテルによる血管内治療は、発症後8時間以内が対象です。このように発症から経った時間によって、治療の幅も変わってしまいます。
受けた治療によって、その後の状態も左右されます。すばやく処置できれば完治に繋がりますし、治療をおこなうまでの時間が遅ければ後遺症が酷くなる可能性も高くなります。発症後誰にも気づかれず放置されれば、最悪死に至る危険性も高まります。

死因順位/別死亡数・死亡率(人口10万対)
性別・年齢階級別 脳血管疾患患者数(推計)

一人暮らしの高齢者の生活は、最新の見守りシステムでサポート!

「一人暮らしの高齢者の自宅が危険だとわかっても、ずっと傍にいて見守ることはできない。どうすればいいか分からない。」そんな不安に応えるべく、一人暮らしの高齢者を遠隔で見守ることが可能な「見守りシステム」が近年登場してきています。
ここでは安全な高齢者の一人暮らしをサポートするための、最新の見守りシステムをご紹介します。

自宅でも使える!家庭用ナースコールで一人暮らしの高齢者をサポート

「え?家庭でもナースコールを付けられるの?」と思った方もいるかもしれません。在宅介護が増えている背景もあり、家庭用の簡易型ナースコールが続々と登場しているのです。
家庭用の簡易型ナースコールは、室内のどこからでも呼べるように無線式の緊急ボタン子機がセットになっていることが多いです。また、困った時や相談したい時に気軽に会話ができるように、親機についたボタンを押すと指定した先に連絡が入って相互通話をすることも可能です。
これにより事故や病気などで容態が悪化した際、家族や訪問介護施設先に通報し、何か問題が起こったことを迅速に知らせることができます。

▼在宅介護向け商品について、詳しい記事はこちら!
在宅介護の必需品!スマホ呼び出しもできる家庭用ナースコールとは?
在宅介護で高齢者を守る家庭用ナースコール。そんな介護にオススメな家庭用ナースコールの製品を徹底比較します。家庭用ナースコールを探している、そもそもどういうものなのか知りたいという方へ役立つ情報をお届けします。是非一読してください。

最新!センサーによる24時間365日の見守りサポート

介護機器は多様化する介護事業のニーズに応えるべくどんどん進化をしており、今ではセンサーを利用した”24時間365日自動で高齢者を見守るシステム”も開発されました。
この見守りシステムは、使用するセンサーによって多様な見守りが可能です。ベッドセンサーで生体情報(呼吸数・心拍数)を感知、バイタル把握により臥床時常に容態の異常がないかを見守れます。また廊下やトイレなどで人を感知し、一定時間動きがなかった場合に「何かあった」と判断して、お知らせするセンサーもあります。
他にも高齢者の温度・湿度を管理するセンサーで、室内の状態を確認して熱中症・低体温症の予防に活用することもできます。様々なセンサーを活用し、異常値が出た場合すぐに発報するように設定することで、高齢者自身が呼び出せない状況でも対応できるので安心です。

「見えるからお互い安心」な見守りカメラでサポート!

見守りシステムには、ネットワークカメラで高齢者の様子を目視できる「見守りカメラ」もあります。親から緊急連絡が入った時、すぐにその場の様子を見ることができれば、どのような状況なのかひと目でわかるので、安心ですよね。また、こちらから連絡したが返答がない…という時も、見守りカメラで状況を確認することで、どのような状態か確認できます。見える化することで、お互いより安心に過ごすことができます。

まとめ

高齢者の一人暮らしには、見守りシステムによるサポートが必要!

今後さらに増えるであろう、高齢者の一人暮らし。これを支える家族は、少子化により減っていくことでしょう。だからこそ、見守る側の負担を少なく高齢者の一人暮らしをサポートできる見守りシステムは、ますます需要が高まっていくと考えます。見守りシステムは高齢者を守り安心を提供するだけではなく、一緒に支える家族の心の負担も軽減し守ることができます。

介護で困っていたり、一人暮らしの親が心配だと思っている方の助けになればうれしいです。

出典

※1 内閣府【一人暮らし高齢者の動向】
※2 内閣府【高齢者の健康に関する意識調査】
※3 厚生労働省【要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合 】