ナースコールと計画

ナースコールの寿命・耐用年数について~入替え工事って大変?

ナースコールが古くなってきたけど、どのくらい持つのか分からない。そもそもナースコールの寿命、耐用年数ってどのくらい?入替え工事は大変?
いつも使っているものでもよくわからないことが多いのがナースコール。ここでは前もって知っておきたいナースコールの寿命・耐用年数についてとりあげます。
入替え時期が近い人だけでなく、これから導入を考える方も前もって知っておくことで計画的に準備ができるでしょう。

ナースコールの耐用年数

ナースコールの法定耐用年数は?

ナースコールは「電気設備」区分で家屋に含めるもの、であり、償却資産ではないため、いわゆる「法定耐用年数」というものはありません。
【参照】東京都主税局<償却資産と家屋の区分表>(PDF)

償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるものをいいます。

【参照】東京都主税局<税目別メニュー><固定資産税(償却資産)>

ナースコールの耐用年数はおおよそ8~12年

「ナースコールには法定耐用年数はない」と述べましたが、ナースコールは24時間365日稼働しつづけている電気設備ですので、長年使用した場合、部品等の劣化は避けられません。
そこで、メーカーによって推奨使用年数、耐用年数が提示されています。メーカーや機種によって前後するものの、おおよそ8年から12年を耐用年数、入替えのタイミングと告知しています。

耐用年数を過ぎるとナースコールはすぐ壊れる?

耐用年数はあくまで推奨使用年数を示すものであることから、耐用年数を過ぎたからと言ってすぐに壊れるわけではありません。
しかしおおよそ10年程度経過すると、部品等の劣化から故障率が急激に高まる傾向があります。そこでメーカーとしてはそこからの逆算で推奨使用年数=耐用年数を提示しています。
ですので耐用年数を過ぎるとすぐ故障するわけではないが「故障するリスクが高まる」と考えるのが妥当でしょう。

ナースコールの入替え(リニューアル)工事は大変?

結論から言いますと、ナースコールの入替え(リニューアル)工事は簡単ではないケースが多いでしょう。以下に、大まかにその理由を述べていきます。

そのままでは配線が使えない

既存ナースコールで使われている配線はリニューアル時には流用できない場合が多くあります。
ナースコールの配線方法は大きく分けて2つ。バス配線とスター配線というものがあります。これらの配線方法には基本的に互換性がなく、引き直し、または接続し直しの工事が必要となります。
たとえメーカーが同じでも時期や機種の違いから配線方法が異なることもあります。また入替えが迫った時期だと、配線そのものが古く劣化しているかのせいもあるため、そのままの流用はできないと考えたほうがよいでしょう。

配線について

ナースコールバス配線
バス配線方式

バス配線はメインとなる制御装置から数珠つなぎに配線を伸ばしていく方法です。
スター配線に比べ配線の総距離を短くすることができますが、断線などの障害時には連続する機器すべてが影響を受ける可能性があります。

ナースコールスター配線
スター配線方式

スター配線はメインとなる制御装置から一本一本放射状に配線していく方法です。
バス配線に比べ配線の総距離は長くなりますが、断線による障害の場合の影響は配線ごとになるため小さく抑えることができます。

施設を止められない

ナースコールの入替え(リニューアル)のためにだけに施設を閉鎖するわけにはいきません。
そこで工事はブロックごとにわけ順次進めることになります。そのため工期は新規の場合より多くかかります。
このような理由からナースコールの入替え(リニューアル)は『簡単』ではありません。だからこそ、壊れる前に計画的に入替えを検討する必要があるでしょう。

まとめ

ナースコールには定められた法定耐用年数はありませんが、一般的には8年~12年が耐用年数とされています。
また、ナースコールの入替え(リニューアル)にはある程度時間がかかるため、入替え予定日を明確化し、計画的に入替えを行う必要があるでしょう。
最近のナースコールにはさまざまな機器や機能が登場しています。配線でも無線式もありますし、ハンディーナースはPHS端末だけでなくスマートフォンを利用したものもあります。また、見守りへの需要から各種センサーやカメラなどと連携したものもあります。
入替えの際には、新た加えたい機能等もまとめておくと良いかもしれません。

ナースコールの最新トレンド

最後に、ナースコールの最新トレンドをいくつかご紹介します。
入替え工事を行うなら最新のもの、使いやすいものがいいですよね。

ハンディナース

すでに導入している施設が多いと思いますが、PHSタイプのハンディナース端末は、移動しながらナースコール対応ができるので便利です。
最近では防水型や、ハンディナース端末から電気錠操作や館内放送などが行える多機能モデルもあります。

見守りシステム連動

最新の見守りシステムなら、センサーにより利用者の生活状況を常時モニタリングすることができます。心拍数、呼吸数、室温などの情報を検知し、異常を自動的に通知することで高品質な見守りが可能になります。

▼見守りシステムについてはこちらも御覧ください。

介護を円滑化!これからの介護施設に必要な見守りシステムって?
介護度の重い方や見守りの必要な高齢者のベッドからの転落・徘徊による事故への対策として、介護施設の負担を軽減する「見守りシステム」についてご説明致します。

スマートフォン連動

スマートフォンをハンディナース端末として利用できるシステム。
さらに介護記録ソフトと連動すれば、入力から緊急呼出対応までスマホ1台でできるシステムが構築できます。