生きがい、健康づくりに、介護施設を充実させるプラスアルファの設備
最近、民間運営の介護施設(有料老人ホーム)では、施設ごとにさまざまな特色を押し出そうとしています。介護施設の増加により、施設間の競争も激しくなっており、入居者獲得のための差別化に取り組んでいるのです。
今回は、入居者のさまざまなニーズに応じる、有料老人ホームのプラスアルファの設備について紹介していきたいと思います。
目次
介護施設(有料老人ホーム)に必要な設備って?
介護施設として重要な設備
民間運営の介護施設(有料老人ホーム)についての必要条件は、有料老人ホームの規定をまとめている法令「老人福祉法」の中にあります。
社会福祉法人などが運営する公的な介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)と比較すれば、規定は緩いと言える部分もありますが、公的な施設同様に高齢者向けの施設として必要な設備があります。
介護施設全般に必要な設備の例
施設全体
- 施設の消防用設備
避難設備、消火設備、警報設備、スプリンクラー設備など - 施設の共有設備
共有ホールの机・椅子、ランドリールーム、介護向けの浴槽、機能訓練用のリハビリ機器、歩行補助スロープなど
居室
- 利用者が使うための設備
介護ベッド、車椅子、緊急通報装置(ナースコール)など
スタッフルーム
- 職員の業務に必要な設備
デスク、電話機、FAX、PC、ハンディナースなど
以上のような設備が必要な設備として上げられます。建物に備わった設備だけでなく、職員や入居者が利用する設備までさまざまの設備があります。必要な設備だけでも、入居者やスタッフの使い勝手などを考慮して選ばなければならないでしょう。
介護施設(有料老人ホーム)ならではの設備
民間運営の介護施設(有料老人ホーム)は、社会福祉法人などが運営する公的な介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などと異なる点もあります。
有料老人ホームの数は増加する高齢者人口と、多様化するニーズに合わせての結果、ここ10年で5~6倍の伸びを見せています。
厚生労働省より出されている「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」にも、「有料老人ホームは民間の活力と創意工夫により、高齢者の多様なニーズに応えていくことが求められるもの」とあります。
介護施設を選ぶ際に重視するのは設備?
上記表は、「内閣府大臣官房政府広報室の世論調査の結果」で述べられている「介護施設等を選ぶ際に重視する点」を示した図です。こちらからもわかるように、半数以上の人が介護施設選びにおいて設備が整っていることを重視する、と解答しています。
また、介護施設探しのホームページなどで口コミなどによるリアルな声を見てみても、民間運営の有料老人ホームでは入居に際し重視するポイントの上位に「施設の設備の充実度」が食い込んでいるように見受けられます。
これは、ただ生活支援や介護を受けるだけではなく、施設がどれだけ魅力的かという所も有料老人ホームを選ぶ上では重視されていると考えられます。
いかにして他の施設と差別化して施設価値を上げるかどうかというところが重要になるので、生活に必要な設備だけでなく生活をより豊かにするための設備がポイントとなるのです。
では、施設価値を上げる設備には、具体的にどんなものがあるのか見ていきましょう。
施設を充実させる!おすすめ設備ご紹介
施設を充実させる設備を、4つの項目に分けて具体例を紹介していきたいと思います。
リラクゼーション設備
利用者を癒やす魅力的なリラクゼーションや娯楽の設備を導入することで、他施設と差をつけることができます。
足湯~濡れない足湯
体を温める癒やしに効果を発揮する足湯は、体だけではなく交流の場としても利用者に良好な影響を与えます。高級老人ホームと呼ばれるような場所では実際に施設に足湯を設置する所もありますが、最近では「濡れない足湯」と称した気軽に設置できる足湯設備もあります。
濡れない足湯なら、水の入れ替えが不要でメンテナンスが容易な点や、靴下でも入れるという手軽さから介護施設で喜ばれているそうです。
レクリエーションスペースや共有ホールに設置すれば、憩いの場として活躍することでしょう。
▼濡れない足湯の製品についてはこちら
お・も・て・な・し・あしゆ
酸素カプセル~酸素ルーム
酸素カプセルは、疲労や怪我の早期回復、酸素不足による脳細胞の減少・機能低下予防などに効果があると言われています。健康促進に効果のある酸素カプセルですが、老人ホームなどに設置する場合は複数人が同時に入れる「酸素ルーム」が活躍しそうです。
酸素ルームなら使用している間利用者複数人分の対応負担が軽減され、スタッフの業務が効率化できるという利点もあるとのこと。体調改善や寝たきり・認知を防ぐためと謳うことで、健康への意識が高い利用者にアプローチできます。
▼酸素ルームの製品についてはこちら
岩盤浴~岩盤浴ベッド
岩盤浴は免疫力が向上する温熱民間療法です。身体に負担をかけずに体温アップや発汗促進ができる岩盤浴は、高齢者にも最適と言えるでしょう。ベッドタイプの岩盤浴なら、湿気を出さずにベッドスペースがあれば個室岩盤浴が可能で、服を着たままでもできるとのこと。
専用の場所を大きく取れない小規模な介護施設でも、共有スペースの一角に置けます。施設の付加価値として、手軽に導入できる点もメリットと言えるでしょう。
▼岩盤浴ベッドの製品についてはこちら
岩盤浴ベッド「北投石盤癒」 | 株式会社ラクト 秋田 玉川温泉 岩盤浴ベッド 総発売元 公式サイト
健康づくりや健康管理のための設備
利用者を高度にケアすることができる設備なら、利用者とその家族、職員まで全ての人の安心感を高めることができます。
ヘルスチェック機器~体組成計
加齢や疾患による筋肉量の減少は、高齢者につきものですが必要な対策を行わなければ身体機能の低下を招き寝たきり等にも繋がる可能性があります。
体組成計は、利用者の筋肉量や骨量などの情報を数十秒で認識でき、健康指数を割り出します。過去からの体質の変化を時系列で管理でき、運動強度・頻度・摂取カロリーの選択により、簡単に体質改善のシミュレーションを計画できるとのこと。
介護施設においては、利用者の筋肉量変化を把握し、レクリエーションなどの運動計画に役立てることで、徹底した利用者の健康づくりへの意識の高さをアピールすることができます。
▼体組成計の製品についてはこちら
体組成計 BoCAx2 ボカエックスツー
健康促進機器~低周波・電位治療機器
加齢現象の一つと言われている腰痛、つらい痛みがあると適切な運動なども遠ざけてしまい高齢者にとっていいことがありません。そういった高齢者の身体の痛みに働きかける機器として、低周波・電位治療機器があります。
腰痛をはじめとして、肩こり・慢性便秘・不眠症・頭痛・末梢神経マヒ(手足の痛み)を軽減し、リハビリとして活躍するとのこと。
慢性的な痛みを持っているケースが多い高齢者にとっては、健康促進の一環として施設にあれば、集客のための付加価値として活躍しそうです。
▼低周波・電位治療機器の製品についてはこちら
http://www.icm-alphaduck.sakura.ne.jp/5173.html見守り機器~ベッドで見守りナースコール
最近介護施設の設備として注目されているのが、利用者の心拍や呼吸などのバイタル情報を管理する見守りシステムです。
その見守りシステムの中でも、ナースコールと連動し利用者に何かあった時にすぐに把握できる「ベッドで見守りナースコール」が介護施設にはおすすめです。
ベッドで見守りナースコールは、心拍・呼吸数や温度・湿度、離床等を24時間365日ベッドに設置されたセンサーが見守ります。異常時には自動で通知するほか、見守りデータの蓄積で利用者の健康管理ができるので、高品質なケアを施設のウリとして謳うことができます。
▼ベッドで見守りナースコールの製品についてはこちら
ベッド見守り型ナースコールシステムを開発|第三のナースコール「Yuiコール」
快適な施設環境を作る設備
ホールなどの共有スペースに設置することで、利用者のご家族に施設の快適さをアピールすることができます。安らぎの展示~アクアリウム
施設の雰囲気を良くするのに活躍するのが、見て安らげる展示物です。
個人利用のアクアリウムを共有ホールや受付ロビーなどに設置すれば、利用者の憩いの場として癒やしを提供することができます。
利用者だけではなく面会市に来るご家族や見学等で来所される方々にも施設の雰囲気を良く受け取ってもらえるでしょう。
▼アクアリウムの製品についてはこちら
東京リハビリ協会 アクアリウム
清潔感~業務用アロマディフューザー
特に介護度が高い利用者が多い老人ホームでは、おむつ利用者が多かったりお風呂の利用に制限がある場合などでニオイ対策が重要なケースがあります。
そういった特有のニオイを解決する手段として、爽やかな香りで消臭できるアロマディフューザが活躍しそうです。
視覚的にきれいを生み出すことも大切ですが、嗅覚は感覚的にも重要なため、香りによるアプローチで施設の清潔感を保つことは訪れる人に好印象を持ってもらうことに繋がります。
▼業務用アロマディフューザーの製品についてはこちら
業務用アロマディフューザーの格安レンタルなら香りを演出するCSE
レクリエーションの充実設備
介護施設には必須のレクリエーション。他施設にない、楽しいレクリエーションを提供することで評判を呼び、集客に繋がります。
ゲームレク~高齢者向けゲーム
ゲームレクは、認知症の予防やコミュニケーション効果などがある、利用者の心身の健康増進として活躍する高齢者向けゲーム機器です。
テーブルと一体型になっているゲーム機もあり、レクリエーション機器を導入できる設置スペースがない施設の場合も省スペースなので安心です。
また、高齢者でも簡単な操作で楽しんでできるので、スタッフが常時そばにいなくともできる点もメリットと言えます。楽しみながら脳を活性化するようなゲームは、認知症への取り組みとして生きがいづくりにもなるので、施設の取り組みとしての評価にも繋がります。
▼高齢者向けゲームの製品についてはこちら
トレパチテーブル|豊丸産業株式会社
リハビリレク~高齢者向けアミューズメント機器
リハビリレクは、身体機能の向上が期待できるリハビリテーションとレクリエーションとしての楽しさが期待できるアミューズメント型の設備です。 たとえば要介護の原因となる足腰の衰えを予防する、下肢機能の向上が可能なアミューズメント機器などがございます。 利用者の向上心と継続意欲を掻き立てるようなリハビリレク機器を導入すれば、楽しそうで元気な利用者が多い施設として周囲に意識づけることができます。高齢者向けアミューズメント機器の製品についてはこちら
たのリハ|商品紹介|株式会社サイ
まとめ
今、介護業界では、競合施設の増加による競争が激化し、規模が大きい施設でも経営が行き詰まっているケースがあります。
そんな中、単に介護サービスを提供するだけにとどまらない、入居者の健康や生活をサポートするさまざまな設備やサービスが登場しています。
他の施設と差別化し付加価値を持たせるために、プラスアルファの設備の導入による魅力的な施設環境づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
【参考】
[1]厚生労働省:「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」
[2]内閣府:「内閣府大臣官房政府広報室の世論調査の結果」
[3]CareTEX:「CareTEX(展示会出展企業情報)」