高齢者

介護施設の運営者様へ!介護用カメラを用いた高齢者虐待対策

介護施設を運営している方が気になることの一つに、「一部介護施設職員による虐待のニュース」があると思います。
ニュースの影響もあり、最近では介護施設を選択する際の重要項目として「施設環境は大丈夫なのか」「しっかり親の面倒を見てくれるのか」などについて考える人が増えています。そういった経緯から、介護施設として”虐待のない安心して預けられる場所”ということを、入居者とそのご家族に示すことが重要になります。
そこで今回は、「介護施設による虐待の現状」から「虐待がない介護施設だと理解してもらうためにはどうしたらいいのか」まで、介護と虐待について考えていきたいと思います。

増加傾向にある、介護施設の虐待

厚生労働省が調査した「介護施設の虐待について」の報告件数

養介護施設従事者等※Aによる虐待判断報告
  虐待判断件数※B 相談・通報件数※C
26年度 300件 1,120件
27年度 408件 1,640件
増減(増減率) 108件(36.0%) 520件(46.4%)

※A 介護老人福祉施設など養介護施設又は居宅サービス事業など養介護事業の業務に従事する者
※B 高齢者の世話をしている家族、親族、同居人等
※C 調査対象年度(平成27年4月1日から28年3月31日まで)に市町村等が虐待と判断した件数(施設従事者等による虐待においては、都道府県と市町村が共同で調査・判断した事例及び都道府県が直接受理し判断した事例を含む。)

上図は、「27年度に出された要介護施設従事者等による虐待判断件数」が調査結果として出された件数です。※1前年度に比べると、虐待判断件数は36%増、相談・通報件数は46.4%増と共に増加しており、介護施設での虐待に関する問題が広がっていることがわかります。

ではどのような施設でどういった虐待がおこなわれているのか、少し細かく見てみましょう。

特別養護老人ホームでの身体的虐待が問題に

虐待の事実が認められた、施設・事業所の種別

施設種類 件数 割合(%)
特別養護老人ホーム 125 30.6
有料老人ホーム 住宅型 39 9.6
介護付き 46 11.3
認知症対応型共同生活介護 65 15.9
介護老人保健施設 37 9.1
訪問介護等 25 6.1
通所介護等 24 5.9
短期入所施設 19 4.7
小規模多機能型居宅介護等 7 1.7
介護療養型医療施設 6 1.5
養護老人ホーム 5 1.2
軽費老人ホーム 3 0.7
居宅介護支援等 2 0.5
その他 5 1.2

高齢者虐待の種別の割合

  身体的虐待 介護等放棄 心理的虐待 性的虐待 経済的虐待
人数 478 100 215 19 93
割合(%) 61.4 12.9 27.6 2.4 12.0

※複数回答
※割合は、被虐待高齢者が特定できなかった22件を除く386件における被虐待者の総数778人に対するもの。以降の表も同様。

上の二つの表を見ると分かるのですが、一番問題が起こっている施設は「特別養護老人ホーム」です。また虐待の内容としては身体的虐待が多く、統計※2によれば要介護度が高ければ高いほど虐待がおこなわれる率が高まるとのこと。それだけ要介護度が高い方への介護というのは、介護職員へ精神的負荷やストレスを与えやすいということかもしれません。

施設利用者のご家族の中には「居室に監視カメラを付けてほしい」と思う人も

親が施設に入っており、度々痣を見かけるようになった。職員に聞くと、入居者本人が不注意でぶつけてしまったものと説明を受けたが…どうにも気になる。
居室内に監視カメラをつけて実際に介護が行われている状況を見たいのだが、できないだろうか?

介護施設に入居している高齢者のご家族の方から、上記のような相談を聞くことがあります。実際、本人の不注意による怪我なのか、それとも介護職員が意図的におこなった怪我なのか…真実はわかりません。しかしこのような原因が判明しない怪我があったことにより、ご家族が施設に対して不信感を抱いたことは事実です。

では、世間的に虐待が増えて不信感を持ちやすい流れが高まる中、介護施設としてはどのように対処すればいいのでしょうか?次の項目で具体的に考えていきましょう。

大事なのは「見える化」!介護用カメラを使った安心提供

利用者のご家族にも安心を。介護用カメラを居室に設置。

利用者のご家族が気になってカメラを付ける…そうなるよりも前に、介護施設の運営向上のために介護用カメラを施設側で設置して活用したほうが、色々と利点があります。

介護施設で居室内に介護用カメラを設置する2つの利点

  • 虐待の抑止力になる
    施設側で介護用カメラを設置すれば、管理者がカメラを通じて自分の行動を把握していると職員が認知します。カメラを意識することで、職員の勤務姿勢の向上が期待できます。結果として、虐待への抑止力としての効果も期待できます。
  • 職員の業務負担を軽減する
    介護用カメラをナースコールと連携させれば、利用者がナースコールを押すとスタッフステーションにある管理PC画面に現場の様子をポップアップ、現場の見える化を実現します。入居者の様子をモニターで確認しながら会話をしたり、状況を判断してから現場対応できるようになります。映像により対応の緊急度が判断できるため、介護職員の負担を軽減することができます。

関係者にも「施設の様子」を閲覧できる環境を提供。

介護用カメラで撮影した映像は、施設内だけで使用するのではなくあえて関係者に公開するという手もあります。
例えば子供が遊んでいる様子をスマートフォンから閲覧できる…そんなサービスを提供している幼稚園があります。これは日中の園児の様子を見ることで、預けている親御さんの安心感を高めるサービスです。預ける側としては、『日中何をしているのか』『楽しく過ごしているのか』ということが、とても気になるし大事なんですよね。
介護施設でも同様に、共同生活室や談話室など「共有の場」の様子を、プライバシーは配慮しつつ施設利用者のご家族がどこからでも見えるようにするのはどうでしょうか。親が生き生きと過ごしている様子を確認できれば、ご家族も安心できて施設への信頼感が高まります。閉鎖的になりがちな施設で見えるサービスを提供することで、介護施設の透明化を図り、ご家族にも”安心して預けられる”という印象を与えるのがいいかもしれません。

施設の危機管理や、トラブル対策に録画・記録

入居者に怪我があった場合、事実無根であっても職員による虐待を疑われる場合も残念ながらあります。そこで介護施設として職員を守るために活躍するのが、介護用カメラです。介護用カメラで介護時の状況を録画・記録しておくことで、何か問題やトラブルが起こった時の証明に使えます。
プライバシーに配慮して、管理者しか閲覧できないように録画データをロックすることもできます。

▼介護用カメラ(見守りカメラ)の詳しいシステム構成・提案内容はこちら!

見守りカメラで虐待対策!老人を守り介護施設の価値を高める
虐待の問題は介護業界では無視できない事項のひとつです。虐待を防ぎ、不安を持つご家族や入居者に安心を与えるためにも虐待対策を検討しませんか?ここでは介護施設の虐待対策のための見守りカメラシステムをご紹介します。

防犯カメラが助成金の対象に!介護用カメラを一緒に導入、がお得!

平成28年、厚生労働省が介護施設に向けて防犯カメラを助成対象※3にしました。これは介護施設に防犯対策が必要だと、国が判断したからです。各自治体も防犯カメラに対して来年、再来年度分の補助金対象告知をしており、防犯カメラの設置がしやすくなっています。
そこでこの期を利用して、防犯カメラと介護用カメラを同時に設置してみませんか?同時にカメラ設置をおこなうことで、カメラの台数が増え1台の単価が安くなります。さらに工事も同時におこなえるので設置工事金額を抑えることも。

31年度の補助金対象地域を紹介

豊中市:社会福祉施設等施設整備費(国庫補助事業)について
神奈川県:平成31年度障害福祉施設等施設整備費補助金 協議対象事業の募集について

施設の所在地である自治体のホームページに掲載がない場合、直接お問い合せにて確認してください。また応募期間が限られているので、気になった方はすぐに調べることをオススメします。

まとめ

介護施設運営において大切なことは、信頼関係です。施設に対する信頼・職員に対する信頼が崩れれば、施設から人が離れていってしまいます。
カメラ設置に関しては「監視」というマイナスイメージもありますが、センサーやナースコールとの連動で「必要な時だけ表示させる」ことや、録画サーバにセキュリティ対策を行うことで「プライバシー対策」も出来るようになっています。
「監視」ではなく「見守り」としてカメラを導入することで、施設を透明化し、入居者や預けるご家族にも安心してもらえるような環境作りをしてみませんか?

出典

※1 厚生労働省:成27年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
※2 厚生労働省:平成26年度の高齢者虐待の対応状況等を把握
※3 厚生労働省:平成28年度厚生労働省第二次補正予算(案)の概要