ナースコール呼出しボタンの種類を要介護度別に分けてご紹介!
病院だけでなく介護施設にも設置されているナースコール設備は、入居者の緊急事態を知らせる大切な機器です。そのナースコールで使用する呼出しボタンには、実はたくさんの種類があることをご存知でしたか?
近年では介護施設の種類も増え、高齢者の要介護度や認知症の進み具合などによって、求められる設備も変化しています。様々な入居者やケースに対応できるナースコール設備を導入したい…そういった需要から、ただ押して呼ぶだけではなく使い勝手のいい製品に進化してきているのです。
ここではそんな進化を遂げているナースコールの呼出しボタンを、要介護度別に対象者ごとに分けてご紹介したいと思います。
要介護度1~3の方にオススメな、ナースコール呼出しボタン
まず最初に紹介するのは、要介護度1~3の方に最適なナースコールボタンです。特に要介護度1や2の段階では、まだ比較的自分で行動できる状態にあります。居室内を移動することが可能で、呼出しボタンを押す圧力も低下していない人を想定しています。
そのためナースコールボタンの特長としては、行動の邪魔にならない呼出しボタンや安価に設置できる呼出しボタンなどがあります。詳しくご紹介していきます。
相互通話も可能な、居室用呼出しボタン
相互通話も可能な居室用呼出しボタンは、一番良く見かけるタイプのナースコール呼出しボタンです。ベッド脇やサイドに埋め込み、もしくは取り付ける形で設置します。このタイプの特長は、呼び出し時にスタッフと相互通話が可能であったり、握るだけでも呼出せたりする点です。よく使われる広く普及している種類なので、価格としても安価なものが多くあります。
トイレや脱衣所に、防水型呼出しボタン
こちらも様々な場所で見かけることが多い、防水型のナースコール呼出しボタンです。主に水回りであるトイレや脱衣所に設置してあり、ボタンを押したり紐を引っ張ったりすると呼出す、というシンプルな作りになっています。基本的に、通話はできない場合が多いです。
いつでも呼べる、ペンダント型無線呼出しボタン
呼出しボタンを常に携帯したい入居者にオススメなのが、このペンダント型呼出しボタンです。この呼出しボタンは無線で通知するため、電波が届く範囲ならどこにいても呼び出すことができます。入居者の自由を確保しながら緊急時の対策をはかれるので、需要も高いです。首からぶら下げるペンダント型なので、邪魔にならず持ち運べることも特長の一つです。
【番外編】居室の様子を確認する、見守りカメラ連動呼出しボタン
介護施設で注目されている機器の一つ、見守りカメラ。見守りカメラ連動呼出しボタンを設置できるナースコールシステムなら、ナースコール呼出しボタンを押した際、居室の様子を管理PCに映し出すことができます。
この見守りカメラ連動呼出しボタンのメリットは、呼出しがあった際の入居者の状態を、離れていてもすぐに確認できることです。呼出し緊急度の確認ができるので効率的で確実な対応を実現うると同時に、ナースコール通話により入居者に安心感を与えることもできます。
要介護度4~5の方にオススメな、ナースコール呼出しボタン
次にご紹介する呼出しボタンは、自力で呼出しボタンを押すことが困難になってきた要介護度4~5の方にオススメのラインナップです。要介護度4以上ともなると、通常通りに呼び出すのが難しいこともあります。そのため、一般的なナースコールボタンではなく、介護度が高い方でも呼出しがしやすいように工夫されているボタンを選ぶ必要があるかもしれません。
そこでここでは、通常の呼出しボタンと異なる「手を使わなくても、足や息などで呼び出しができるナースコールボタン」についてご紹介します。
足や腕で押せる、呼出しボタン
ボタンを握る力がない方でもナースコールを呼び出せるのが、このタイプの呼出しボタンです。大きなボタンなので、腕や足を使って触れ押すだけでナースコールができます。
触れるだけで呼出しできる、タッチ式コール
このタイプは、センサー部分に指先や頬・舌などを軽く触るだけで感知してナースコールを呼出してくれます。力を入れなくてもいいので、体がうまく動かせない方でも安心して使えます。
かざすだけで通知できる、光センサーコール
センサー部分に手をかざすだけで通知をおこなってくれる、ナースコール呼出し機器です。非接触タイプなので体の動きが定まらず、決まった位置をうまく触れない方にオススメです。
息を吹きかけるだけで感知する、呼吸型呼出しコール
こちらは体が動かなくてもナースコール呼び出しができるタイプのもので、息に反応してスタッフへ通知します。また、息だけでなく声に反応するタイプもあり、状況に合わせて選ぶことができます。
【番外編】ベッドからの転落を知らせる呼出しセンサー
要介護度の高い高齢者はベッドから移動する際、転落するおそれがあります。さらに、転落をすぐに介護者に知らせることができず、発見が遅れてしまう危険性もあります。そんな懸念がある場合は、転落時に自動で通報してくれるマットセンサーがおすすめです。ベッドの下に敷いて置くことで、ベッド周辺の安全性を高めることができます。他にも、手すりに手を置くとスタッフに通知するセンサーもあります。こうしたセンサーを利用すれば、転落リスクが高い高齢者が自力で移動しようとする前に介助がおこなえます。
認知症の方にオススメな、ナースコールセンサー
認知症の方は問題が起こった時に呼出しボタンを押すことができなかったり、何もない時に何度も押してしまったりすることがあります。こうした認知症の利用者では、ナースコールの対応が難しくなります。そこでオススメなのが、センサーによる呼出しです。センサーなら行動に基づいて呼出しができるので、何か問題があった時だけ呼出すことができます。
徘徊対策に人感センサー
赤外線や超音波・可視光などを利用して人の動きを検知する「人感センサー」は、出入口付近への設置がオススメです。センサーのオンオフで使うタイミングが調整可能で、例えば人手が少なくなり徘徊が心配な「夜間だけ対策する」という対応も可能です。センサーオンの際は利用者が外に出た際に人感センサーが検知し、すぐに通知されます。
徘徊対策に窓センサー
認知症の徘徊は、ドアからの脱出だけでなく窓から外に出てしまう方もいます。また、居室の窓だけでなく1階の窓は全て危険と考えていいでしょう。そこで窓からの徘徊への対策として役に立つのが、窓センサーです。窓の開閉を検知し、どこの窓が開けられたのかを介護職員に知らせることができます。
まとめ
多様化するナースコールボタンの種類と、高まる「見守り」としてのナースコール需要
前述したように、ナースコールボタンは用途・目的に合わせて、様々な種類があることがわかりました。
介護施設が増えた今、施設価値を高める工夫が必要になってきています。入居者の状態に合わせた呼出しボタンを選んで設置することで、いつでも呼び出しやすい環境を作り、入居者に安心を与えたり事故を未然に防ぐことにも繋がります。施設価値を向上する対策のひとつとして、重要な役割を担う「ナースコールシステム」を見直してみてはどうでしょうか。
特にセンサーを活用したナースコールの呼出しボタンは日々進化をしており、最近ではバイタルチェックを自動でおこない、利用者の問題を検出・お知らせする製品も登場してきました。
これからのナースコール設備は「ただ押して呼ぶだけ」の機器ではなく、入居者の安全を確認・管理する「見守りシステム」として活躍するかもしれません。今後のナースコールの進化に、期待が高まります。
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