徘徊とは
読み:はいかい
徘徊とは、認知症のある方が家の中や施設内、屋外などを歩き回る行動を指す言葉です。認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)の一つとして扱われることがあります。
ただし、歩き回る行動のすべてが認知症によるものとは限りません。身体の不調や環境の変化、生活習慣など、さまざまな要因が関係します。
また、近年は「徘徊」という言葉が、本人の行動を目的のないものとして捉える印象を与えることから、「ひとり歩き」や「歩き回る行動」などの表現が使われることもあります。
認知症のある方が歩き回る背景には、その人なりの目的や理由が隠れている可能性があります。まずは行動だけで判断せず、本人の立場に立って考えることが重要です。
徘徊が起こる主な原因
歩き回る行動には、認知症による認知機能の低下だけでなく、本人の気持ちや身体の状態、周囲の環境などが関係しています。
| 原因 | 具体的な例 |
|---|---|
| 記憶障害・見当識障害 | 今いる場所がわからなくなり、自宅を探して歩き回る |
| 過去の生活習慣 | 仕事に行くつもりで外出する、家事をしようとする |
| 不安やストレス | 慣れない施設で落ち着かず、安心できる場所を探す |
| 身体の不調 | トイレに行きたい、痛みがある、喉が渇いている |
| 生活リズムの乱れ | 夜眠れず、昼夜を問わず歩き回る |
また、急に歩き回るようになった場合には、感染症や脱水、薬の影響などによって体調が変化している可能性もあります。普段と様子が違うときは、医療機関や主治医に相談することが大切です。
徘徊を防ぐためにできる対策
- 名前や連絡先がわかるものを身につける
衣服の内側や靴などに、本人の名前や家族の連絡先を記載しておくと、保護された際の身元確認に役立ちます。個人情報の扱いに配慮しながら、本人が普段から身につけやすい方法を選びましょう。 - GPSや見守り機器を活用する
GPS端末や位置情報を確認できる機器を利用すると、外出した際に居場所を探す手がかりになります。玄関の開閉センサーなども、外出に早く気づくための方法の一つです。 - 本人の気持ちや生活習慣を理解する
「仕事に行きたい」「家に帰りたい」という気持ちを否定せず、まずは話を聞きましょう。散歩や家事など、本人が安心して取り組める活動を生活に取り入れることも有効です。 - 地域や介護サービスと連携する
家族だけで見守るのではなく、ケアマネジャーや地域包括支援センター、自治体の見守りネットワークなどに相談しましょう。事前に地域の行方不明者捜索支援制度などを確認しておくと、いざというときに役立ちます。
大切なのは、本人の行動を一方的に制限するのではなく、本人の思いや行動の理由を理解しながら、安全を確保することです。
歩き回る行動が見られたときは、無理に叱ったり、急に引き止めたりせず、落ち着いた声で話しかけてみましょう。ただし、道路に飛び出すなど差し迫った危険がある場合は、安全確保を最優先にしてください。
もし本人が行方不明になった場合は、帰ってくるのを長時間待たず、警察(110番)や地域の関係機関に速やかに連絡しましょう。
徘徊における危険性は、外へ出てしまった場合、自分で戻れなくなってしまうことと、事故などにあいやすいことです。衣服に住所等を記載したりし早期発見をするように心がけましょう
出典・参考資料
- 国立長寿医療センター:「認知症の人と上手に向き合うために」
- 厚生労働省:「認知症施策・介護関連資料」














