【すぐわかる】サ高住と有料老人ホームの違いとは?
皆さんは「サ高住と有料老人ホーム」及びその違いをご存知ですか?
高齢者施設には様々な種類があります。たとえば認知症高齢者を対象としたグループホームや、介護度が高い高齢者を対象とした特別養護老人ホームなどです。
そんな数ある施設の中でも近年注目を集めているのが、高齢者のサポートが可能な住宅として主に民間で運営されている「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。
このサ高住は、同じ民間運営の有料老人ホーム、中でも「住宅型」の有料老人ホームと混同されがち。
そこで今回は、サ高住と有料老人ホームの違いに関して、述べていきたいと思います。
サ高住と住宅型有料老人ホームの概要
サービス付き高齢者住宅とは
サービス付き高齢者住宅は、「高齢者住まい法」により運営されています。
マンションのように独立した住居で暮らすことができ、安否確認・生活相談がサービス内容に含まれています。
義務付けられているサービスは安否確認・生活相談だけですが、必要に応じて介護サービスや食事提供サービスも受けられるため、個人に合った暮らしをできることがメリットと言えます。
住宅型有料老人ホームとは
住宅型有料老人ホームは、施設スタッフによる食事サービスや生活支援サービス(居室の掃除、洗濯、買い物など)などが受けられる「老人ホーム」です。
基本的には独立した生活を送ることが可能で、元気なうちから入居しながら家事負担などを減らすことができます。
また、高齢者向け住宅と比較するとレクリエーションや設備が充実しており、入居者同士の交流も活発な点がメリットとして挙げられます。
こうして詳細を見てみると、サ高住と住宅型有料老人ホームは、「独立した生活と必要に応じた支援」という点から、一見すると似ているように感じます。
明確な違いはあるのでしょうか。次は一つ一つの項目を、並べて比較して見てみましょう。
サ高住と住宅型有料老人ホームの違い
サ高住と住宅型有料老人ホームの具体的な違いについて、下記表を御覧ください。
サービス付き高齢者向け住宅 | 住宅型有料老人ホーム | ||||
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根拠法 | 高齢者住まい法(第5条) | 老人福祉法(第29条) | |||
根拠法とは、何らかの制度や施策を稼動させる場合の、その妥当性の裏づけ(=根拠)となる法令・法律のことを示します。この根拠法がサ高住と有料老人ホームでは異なるので、目的や定義、基準も若干異なります。 | |||||
住まいとしての定義 | 住宅 | 施設 | |||
住宅型有料老人ホームは、老人福祉法が根拠法である通り、住まい(住居)としての定義は「施設」になります。一方サ高住は高齢者住まい法が根拠法である通り、住まい(住居)としての定義は「住宅」となります。 これは大きな違いで、サ高住はあくまでも「住宅」であり、有料老人ホームは「施設」という扱いとなります。 |
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管轄官庁 | 厚生労働省・国土交通省共管 | 厚生労働省 | |||
サ高住に関しては、厚生労働省だけではなく国土交通省も管轄しています。それはサ高住の住宅という定義にあります。 現在、介護・医療と連携して高齢者を支援するサービスを提供する「住宅」を確保することが極めて重要であるとされています。そこでサ高住の供給アップのために、補助・税制・融資による支援を国土交通省が行っています。 |
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契約方式 | 賃貸借方式 | 利用権方式が多い | |||
サ高住と住宅型有料老人ホームの違いは、契約形態にもあります。 サ高住の賃貸借方式は一般の賃貸物件と同じように、初めに敷金を支払い、月ごとに家賃を支払う方式です。 一方利用権方式とは、入居時に一時金を支払い「その施設を利用する権利」を前払いで契約するという方式になります。よってサ高住ではあくまでも賃貸住宅という扱いですが、住宅型有料老人ホームは原則終身利用の施設であるという違いがわかるでしょう。 |
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初期費用 | 【敷金】家賃の2~5ヶ月分 | 【入居一時金】0~数億円 | |||
サ高住は賃貸扱いのため初期費用は「敷金○ヶ月分」の支払いのみです。 一方住宅型有料老人ホームは、終身入居のために必要な高額な一時金を支払う必要があります。しかし最近では、入居一時金を0円に設定して、月額利用料を比較的高めに設定することでバランスを取っている施設も増えています。 |
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対象者 | 単身・夫婦世帯(60歳以上、もしくは要介護要支援認定をを受けている60歳未満) | 老人(社会通念による大体65歳以上~) | |||
サ高住は要介護・要支援を受けていれば、利用者は例えば50代でもOKなのに対し、住宅型有料老人ホームは対象が老人というざっくりとしたものになっています。 また、サ高住は夫婦世帯など単身でなくても利用することができます。 |
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一人当たり面積 | 個室 原則25㎡以上 | 個室 13㎡以上 | |||
サービス付き高齢者住宅には、国が定めた個室確保の基準があるため、洗面用の設備・水洗トイレは必須、基本はキッチンや浴室が付いている等の指定が細かくされています。 住宅型有料老人ホームも指定はありますが、個室に関しては13㎡以上の床面積を持つ居室ということだけです。 |
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法定の提供サービス | 状況把握(安否確認)・生活相談サービス |
①入浴・排せつ・食事の介護 ②食事の提供 ③洗濯・掃除等の家事 ④健康管理 …のいずれか |
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サ高住では上記2つしか義務付けられていません。 一方住宅型有料老人ホームでは、食事の提供・家事の代行を行うサービスの実施などの細かい設置基準があり、生活に介入するような支援が行われます。 |
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レクリエーションの有無 | 少ない | 多い | |||
サ高住はレクリエーションや交流の頻度が少ない傾向にありますが、住宅型有料老人ホームは入居者同士の交流が盛んです。 |
こうして、項目を並べて比較すると、サ高住と住宅型有料老人ホームは似ているようで結構違いがありますね。
サ高住は住宅、住宅型有料老人ホームは施設という違い
双方は同じように「住まい(住居)」ではありますが、サ高住は「住宅」であり、住宅型有料老人ホームは「施設」というそもそもの出発点が違います。
そのため、サ高住の方が住宅型有料老人ホームよりも自由度が高く、利用者の行動に制限がないケースが多くあります。逆に言えば住宅老人ホームでは、施設としての価値を高めるために、機能訓練室やトレーニングジムなどの設備面、レクリエーションやイベントなど、施設内での生活が充実するような取り組みを行っていたりします。
住宅と施設というそもそもの出発点が違うということ。その違いを意識しておくと、理解しやすいでしょう。
まとめ
サ高住と住宅型有料老人ホームは別物!でも、似てきている?!
サ高住と住宅型有料老人ホームはそもそもの出発点が異なり、似ていても違うということが分りました。しかし実は最近では、サ高住と住宅型有料老人ホームで提供するサービスにおいて、あまり差がなくなってきています。
その理由として、急激に増加しているというサ高住の現状があります。急増により施設間の競争が激しくなり、差別化のため本来のサービス以外にも食事サービスや医療施設との連携などを行う施設も出てきました。
結果として、サ高住のサービスが住宅型有料老人ホームのサービスに近づいてきているのです。
▼合わせてチェック!
急増しているサ高住ですが、実はまだまだ足りていません。
なぜならサ高住は、超高齢化社会への備えとして国から2025年までに100万戸まで増やすよう推進されているからです。
そんなサ高住を増やす取り組みと、サ高住向けの補助金・補助制度については、下記記事でご紹介しています。ぜひご参照ください。
他社との差別化にも繋がる「見守りシステム」
高齢者向けの住まいが増えると、入居者獲得のために必要になるのが差別化です。しかし、差別化をするためにはいったい何を行えばいいのでしょうか?
そこでご提案したいのが、見守りシステムの導入です。最近、よく「見守り」という言葉を耳にしませんか?
見守りシステムには色々な種類がありますが、たとえば利用者の呼吸や心拍数と言った生体情報や温度や湿度といった居室情報をセンサーで24時間365日常時把握するシステムでは、異常数値になった場合に自動的に通知することができます。こうした見守りシステムは、職員の業務負担を軽減しながら高いケアサービスの提供を実現します。
競争が激しくなっている介護施設では、付加価値のあるサービスを導入し、差別化をはかるケースが増えています。付加価値の高いサービスは、介護度が高い利用者への対応もスムーズになるため、結果的に施設の運営力の向上にも繋がると言えるでしょう。
▼見守りシステムについては以下もご参照ください。