家庭用ナースコール

スマホ呼出しで使いやすい!家庭用ナースコール【徹底比較】

「親の介護はできるだけ家庭で行いたい。」「高齢の親なので自分が日中仕事へ出かけている間に何かないか心配。」「訪問介護サービスを受けているが介護スタッフが訪問しない日が不安。」…こんな様々悩みを持っている方にオススメしたい、「在宅介護」に役立つ家庭用ナースコールをご紹介します。
そもそも家庭用ナースコールとは何なのか?本当に在宅介護で必要なのか?このような疑問を持っている方も、この記事によって家庭用ナースコール導入のメリットを理解できると思います。安価に購入できる簡易家庭用ナースコールから、利便性の高いスマートフォンを呼び出せる商品まで、様々な種類を比較して掲載します。ぜひ知識として、お役立てください。

高まる家庭用ナースコールの需要

少子化が進み高齢者がどんどん増えている「超高齢化社会」という現状では、2025年※1には65歳以上の人口が5,836万人に増えるというデータが出ています。10年で比べると8.6%高齢者の割合が増加し、介護施設への入居のハードルはより高くなっていくと考えます。介護環境の実情としても、施設側では「人手不足で介護する側の人員が足りない」状態であり、介護を受ける側の高齢者では「自宅での介護を望む」状態にあります。これらのことから、今後ますます在宅介護の需要は高まっていくでしょう。

介護を受けたい場所についてのデータ※2
介護を受けたい場所

在宅介護において重要なこと

「家庭で介護をするなら安心だ」そう思う方もいるかもしれません。しかし実際のところは、施設よりも家庭の方が高齢者が怪我をするリスクが高いのです。また、高齢であればあるほど自宅でのケガがそのまま重症化し、寝たきり状態となったり最悪命を落とす危険性も高い傾向にあります。特に転倒・転落はよくある「重症化しやすい事故」として、各所から注意が呼びかけられています。
では、高齢者の怪我はどんな場所で起きやすいのでしょうか。自宅に潜む事故の危険地帯は、下記の通りです。

自宅・家庭に潜む事故の危険地帯※3

  • 居室 45%
  • 階段 19%
  • 台所・食堂 17%
  • 玄関 5%

怪我・病気の早期発見で、高齢者を守る

高齢者が家庭内に一人の時に緊急事態になると連絡が出来ない状態の場合もあり、発見が遅くなって重症化する危険性が上がります。高齢者の怪我・病気などによる不調は、早めに発見する仕組みを作っておくのが大切です。早期発見の仕組み化には、何をすればいいのでしょうか?
そこで活躍するのが、今回のテーマである「家庭用ナースコール」です。次の項目からは、家庭用ナースコールとはどういったものか具体的なお話に入りたいと思います。

家庭用ナースコールとは

家庭用ナースコールとは、簡単に言えば”病院のナースコールの簡易版”と考えていいでしょう。呼び出しボタンを押すことで、通知端末を持っている相手に知らせることができます。名称としては「緊急コール」や「緊急通報システム」、「介護コール」、「ワイヤレスコール」など、様々な呼び名があります。
ここでは様々な種類がある家庭用ナースコールを主に2パターンに分けて、その仕組みについて説明します。また、高齢者が呼び出しができない状態にあっても安心なのが「センサー呼び出し」です。このセンサー呼び出しが可能になる、家庭用ナースコールのセンサー連携の使い方についてもお話します。

自宅内に連絡する家庭用ナースコール

家庭内だけで使用するイメージ

1つ目は、自宅内で完結する家庭用ナースコールのシステムです。無線機のようなイメージで親機と子機を電波でつなぎ、相互通話を可能にします。基本的には親機から見通し100M以内なら呼び出し可能な場合が多いです。また途中に受信機を設置して電波を中継することで、より距離が離れていても連絡が取れる製品もあります。

自宅外に連絡する家庭用ナースコール

自宅外に発報するイメージ

2つ目は、自宅外部に呼び出しができる家庭用ナースコールのシステムです。外親機と子機が電波でつながっているのは1つ目のタイプと一緒ですが、呼び出しの通知信号を電話回線に乗せ、指定した外部の電話に着信させることができます。これにより、外部にいる家族や介護職員に連絡を入れることが可能です。

▼合わせてチェック!
自宅外に連絡する家庭用ナースコールが必要なのは、在宅介護で高齢者が一人になることが多い場合に加えて「高齢の親が自宅で一人暮らしをしている」という状況も考えられます。一人暮らしの高齢者は年々増加しており、高齢化社会におけるひとつの課題にもなっています。
こうした高齢者の一人暮らしと、離れた場所にいる高齢者を見守るシステムについては下記記事にまとめてあります。ぜひご覧ください。
自宅は危ない?高齢者の一人暮らしをサポートする見守りシステム
昨今、高齢者の自宅での事故や容態悪化が増えています。特に一人暮らしの高齢者の場合、発見が遅れてしまい重篤な事態になる危険性も…そこで今回は、一人暮らしの高齢者を見守り生活をサポートするための最新システムについてご紹介します。

家庭用ナースコールのセンサー連携で、様々な見守りを実現

前述した通り、家庭用ナースコールの中にはセンサーと連携できる製品があり、連携するセンサーの種類によって様々な見守りを行うことができます。
例えば、トイレに入ってから長時間動きがなかった場合にお知らせする使い方ができます。また、徘徊を知らせたり火災を知らせたり、様々な内容をお知らせする使い方が可能です。

家庭で役立つセンサーの種類
各種センサーのイメージ
  • 人感センサー:人の熱を感知して知らせる。徘徊対策に使用可能。
  • 火災センサー:煙や熱を感知して知らせる。火事対策に使用可能。
  • ライフリズムセンサー:一定時間動きがなかった時に知らせる。事故対策に使用可能。
  • 温度・湿度センサー:異常な温度、湿度になった時に知らせる。不調回避に使用可能。
※接続可能なセンサーは製品によって変わりますので、ご検討されている製品にて詳細をご確認ください。

家庭用ナースコール商品【徹底比較】

家庭用ナースコール商品を取り扱っているメーカーを、下記表でまとめました。予算はどのくらいかけられるか、呼び出し時にどこに発報したいのか(スマホの呼出しができるのか)、センサーとの連携は考えているのか…など、ご要望を念頭に入れた上で製品比較をご覧ください。

比較表で各社製品らくらくチェック

メーカー名 商品名 相互通話 持ち運び センサー
連携
スマホ
呼び出し
予算
よべーる(エクセルエンジニアリング)▶ よべーる6200 × 5万以下
【備考:シンプルな機器。映像を映せる端末付きの商品もある。】
リーベックス ▶ ワイヤレストーク × × 2万以下
【備考:とてもシンプルな機器。呼び出しをしたいだけの方には値段もお手頃なので良いかも。】
竹中エンジニアリング ▶ 小電力型ワイヤレスシステム緊急呼出しセット × × 10万以下
【備考:センサーシステムで有名な竹中が出しているワイヤレス機器。子機は防水仕様。様々な種類のセンサーと接続できる。】
日本アンテナ ▶ ドコでもルームホン × × 2万円以下
【備考:安く購入できる、相互通話のみ対応したシンプル機能な機器。】
panasonic ▶ ワイヤレスコール × 3万円程
【備考:皆様ご存知の大手メーカーで安心して使える。様々な形の呼び出しボタンを選べる。】
昭和貿易(SHOWA)▶ スマートホンコードレス × × 4万円程
【備考:簡易的な作り。相互通話ができない機器のセットは、更に安く入手できる。】
岩崎通信機(IWATSU)▶ Smart-REACH 9万円以下
【備考:ビジネスホンの老舗メーカーである岩崎通信機が出している機器。値段は高めだが安心して使用できる。】
NTT ▶ シルバーホン あんしんSVI 4万円以下
【備考:NTTが出している緊急通報システム。スマホへの呼び出しも可能で金額もお手頃。人気も高くオススメの品。】
アイホン ▶ 緊急通報装置 9万円以下
【備考:介護施設向けナースコールも製造販売しているアイホンの、在宅で使用できる装置。】

※製品の詳細は、メーカー名のリンクよりリンク先公式サイトにてご確認ください。

安価でスマホ呼出しができる!”オススメ”の家庭用ナースコール

NTTの家庭用緊急通報ボタン『NTTシルバーホン』

「スマホ呼出しができる方がいいけど、そういった機種は予算より高め…」そんなお悩みを持つ方にプッシュしたいのが、NTTが販売している緊急通報装置「シルバーホン」です。通信業界大手メーカーNTTの製品なので、安心して使用できます。更に他社のスマートホン呼び出し対応機器と比較すると、安価に導入できることが特長です。
また、人感センサーやライフリズムセンサー、火災センサーなど前述した「センサー連携」も可能なので、在宅用見守りシステムとしても活躍します。その他、下記の様な機能もございます。

9ヶ所順次通報

「非常」ボタンをワンプッシュするだけで、緊急通報を発信して通話が可能。ご家族の連絡先など、あらかじめ登録した9ヶ所の通報先に順次通報します。

留守番電話にも対応

第一通報先が留守番電話中でも、通報を完了せずに第2通報先へ巡回通報できます。緊急時の確実な通報を実現します。

電源切れを自動にお知らせ

「停電」「停電復旧」「電池切れ」などのトラブルを感知して、自動で通報先にお知らせできます。

光回線対応

安心シリーズとして初の「ひかり電話回線」にも対応するため、お客様がご利用になる回線を気にせず、幅広い方にご利用いただけます。

▼製品についてもっと詳しく!
家庭用緊急通報ボタン『NTTシルバーホン』製品の詳細は下記ページにございます。ぜひご覧ください。
高齢者のための在宅介護用緊急通報ボタン『NTTシルバーホン』
お年寄りの一人暮らしを安全にサポートする在宅介護用、簡易型緊急通報ボタン『NTTシルバーホン』。押しボタンが大きい置型装置とワイヤレス押しボタンでお年寄りでも使いやすい仕様です

家庭用ナースコール+見守りカメラで在宅見える化も!

家庭用ナースコールと一緒に見守りカメラを設置することで、呼び出しがあった場合の見える化(状況確認)が可能になります。会話やセンサーの情報だけではなく、目視で高齢者の状態が把握できるので、誤送の確認やより安心度の高い在宅介護を行えます。

まとめ

在宅介護には、電話通報やスマホ呼出しができる家庭用ナースコールを!

常に人がいて高齢者を見守ることができる状況なら、安価な自宅内呼び出し専用の家庭用ナースコールでもOKでしょう。高齢者と介護者が離れた場所にいても、会話によって状況を確認してから対応することが可能になり、介護の負担を軽減できます。
しかし、自宅で高齢者が一人になることがある在宅介護の場合は、外部に呼び出しが可能な高機能な家庭用ナースコールをオススメします。スマートフォンなどを呼び出せると、利便性も高く安心です。
また、高機能な家庭用ナースコールなら、センサーやカメラなどと連携を取ることができ、在宅の高齢者を離れた場所からでもきめ細かく見守ることができます。
家庭用ナースコールの導入で緊急時にすぐに呼び出せる仕組みを作り、介護される高齢者と見守るご家族の方、どちらも安心できる環境を作っていきましょう。

出典

※1 厚生労働省:今後の高齢者人口の見通しについて
※2 内閣府:第1章 第2節 3 (2)高齢者の介護
※3 国民生活センター:【衣装機関ネットワーク事業からみた家庭内事故-高齢者編-】