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無線式ナースコールについて徹底解説!~比較表付き~

「配線が要らず、安く導入ができる」そんなイメージがある無線式ナースコールシステム。実際のところ、無線式のナースコールシステムは本当に安いのでしょうか?無線ナースコールの種類や、ほかのメリットやデメリットについても見ていきたいと思います。

無線式ナースコールとは?

そもそも無線ナースコールとはどんなものでしょう?

無線式ナースコールの構成

無線式ナースコールの構成は、まず、無線式呼び出しボタン(子機)とアンテナ(基地局)が対になっています。これに、無線の有効範囲を広げるための中継器があるのが一般的な構成です。
無線といっても、アンテナ(基地局)や中継器には、有線接続や電源ケーブルの接続が必要になる場合があります。

無線式ナースコールの構成

呼び出し機(無線式呼び出しボタン)

壁面取り付け型・据え置き型・ペンダント型など…様々な種類があります。

アンテナ受信機(基地局)

呼び出しボタンからの電波を受け、表示機(親機)にその情報を届けます。

無線ナースコールの種類・規格

続いて、無線ナースコールの「無線」の種類について。無線式ナースコールで使用されている無線は、大きく分けると「小電力無線」という種類に分類されます。実はここから更に細かい種別と規格に分けることができるのです。
その種別や規格はさまざまで、製品によって違いがあるので確認が必要です。では、具体的に確認していきましょう。

  特長 周波数帯 製品例
小電力セキュリティシステム無線 主として火災、防犯、その他非常の通報又はこれに付随する制御を行うものと定義されている。小電力セキュリティーシステムの無線は、制御装置を含む無線装置(親機)と、その通信の相手方となる無線設備(子機)から構成さる。親機は制御装置を通して電気通信回路設備(電話公衆回線)と接続される。 400MHz帯 竹中エンジニアリング「小電力型ワイヤレスシステム緊急呼出しセット」
特定小電力無線 特定小電力無線には更に細かい区分がある。一般的に知られている製品としては、トランシーバーやナースコールなどが代表的。近距離間での簡易連絡用のコミュニケーション手段として最適です。 928MHz
(日本)
アイテック「アーミンスイッチ・センサー」
●ENOCEAN
特定小電力無線の中でも、エネルギーハーベストを利用した「バッテリ不要の無線通信」であることが特長の規格。特性上、照明のスイッチ・室内の温度湿度・開閉センサー等のようなセンサーを設置して利用する使い方が適している。
小電力データ通信システム無線(無線LAN) ●BLE(Bluetooth)
ミュージックプレイヤーのイヤホンやパソコンのマウスやキーボードなど、身近な端末の無線化に使用されている規格。近距離での無線通信を想定して作られており、数Mから数10M程度と通信距離が短くなっている。
2.4GHz帯
5GHz帯
25GHz帯
Bluetoothを無線式ナースコールで利用する場合は、BLEを搭載した呼び出し機を持った利用者が、指定された区域外に出てしまった場合や一定距離離れた場合に介護側に発報するようなシステムが製品として挙げられます。
●Wi-Fi
無線LAN規格の一つで、国際標準規格です。PCやTV、スマートフォンやタブレット、ゲーム機など日常的に私達が利用する機器を無線(ワイヤレス)でLANに接続する時に使用します。
日常的に様々な機器で利用されています。そのため電波干渉の問題もあるため、呼び出し機に無線LANを利用したケースは主に見られません。
デジタルコードレス電話無線 デジタルコードレス電話の無線規格が使用されている主な製品としては、オフィス用電話が挙げられる。広帯域システムであるDECT方式が実用化されており、無線LAN等のネットワーク系統との電波干渉を避けることができる。 1.9GHz帯 玄関からやお部屋同士で会話ができる、配線不要のインターホンのような簡易的な家庭用ナースコールが挙げられます。

無線と一口で言っても、電波にはさまざまな種類があり、その特長も異なっているのです。

無線式ナースコールのメリット・デメリット

最後に、無線式ナースコールのメリットとデメリットを有線式ナースコールと比較しながら見ていきます。

無線式ナースコールのメリット

レイアウトフリー

無線ナースコールのメリットとしてまず挙げられるのは、設置場所を選ばないレイアウトフリーということ。既存の配線に縛られない自由な設置ができる点です。また、ペンダント型のタイプのような呼び出し機であれば、利用者が常に所持することができ、室内を移動しながら利用することも可能です。
有線型ナースコールでは設置箇所が限られてしまい、一度設置したら移動することもできません。自由な設置ができる点は無線ナースコールの大きなメリットと言えるでしょう。

無線式ナースコールでレイアウトフリー

工事費の削減

無線ナースコールは、完全にワイヤレスのナースコールや呼び出し機~アンテナ受信機の間がワイヤレスとなっているシステムなど様々ですが、有線が必要な所を無線としているのでその区間の配線が不要となります。そのため、ワイヤレスで接続している部分の配線工事費用の削減が可能となります。
有線型ナースコールの場合、無線であれば配線がいらなかった場所に配線が必要になってくるため、その分の費用がプラスでかかるということになります。

無線式ナースコールで配線工事費削減

無線式ナースコールのデメリット

音声通話ができない

施設で必要とされるような無線式ナースコールは、ハンディナースや親機などと音声通話をすることはできず、呼出し通知が届いたのかどうか不安になることもあります。
通話が必要な場合には、放送設備等との連携ができるナースコールシステムの選択が必要です。
※家庭用ナースコールのような呼び出し機と親機のみの簡易的なタイプなら、音声通話ができるものもございます。

無線式ナースコールは音声通話ができない

無線だけど無線じゃない?

押しボタンが無線であっても、アンテナや中継器は有線接続の場合があります。また、アンテナには通常電源の接続が必要であり、完全なワイヤレスというわけにはいきません。

思ったより高い?

さきほど述べたように、無線式ナースコールシステムであっても、アンテナや中継器などの接続は有線となります。建物の構造上電波が届きにくい場合、中継器の数が多くなったりし、思ったほど安くはならない可能性もあります。
安さだけで選ぶのではなく、有線にした場合と比較しながら選択しましょう。

通信トラブル

無線を利用した通信全般に言えることですが、障害物や距離、電波干渉など、有線に比べて環境が不安定になりやすいというデメリットがあります。
そのため、有線に比べて問題が発生する可能性が高いことを事前に踏まえておき、使い分けるのが有効でしょう。

無線ナースコールの採用には、デメリットも踏まえておくことが大切です。

まとめ

このように、無線式ナースコールには、手軽さや安さといったメリットがある反面、音声通話が苦手といったデメリットもあります。
また、無線ナースコールが実際の施設建物内で有効に動作するかどうかは実際に確認してみなければ分からないこともあります。
建設予定の施設に無線ナースコールは適しているのか?それを判断するにはやはり、経験・実績の豊富な専門の知識を持った業者に依頼するのが得策でしょう。

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