ケアテックス

ケアテックス2018で見た高齢者見守りの最新機器!

2018年3月に行われた介護施設のソリューション展・CareTEX(ケアテックス)東京に参加いたしました。CareTEXは今年で4回を迎え、BtoBでの商談を目的とした展示会になります。さまざまな介護用品、機器のブース出展だけではなく介護に役立つセミナーの開催など介護業界に携わる方なら有意義な情報を手に入れられる展示会です。展示会についての詳細は最後に記載しましたのでそちらをご覧ください。
今回の記事はCareTEXの見守りシステムに重点を当てて調べてきたレポートです。展示会内でも見守りをメインに扱っている企業ブースは多くあり、様々なセンサーを組合せて入居者の状況を把握できるシステムを展示していました。
ではどのような見守りシステムがあったのか、最新技術を使用したセンサーとは?頂いた資料を元にまとめてみましたので是非ご覧ください。

センサーを利用した見守りシステム簡易比較表

まず見守りをメインに提案する企業が多く出展していたため、どの企業が何を見守れるのかを表としてまとめてみました。下記表をご覧ください。

メーカー名 商品名

























株式会社インフィック・コミュニケーションズ >> LASHIC-room            
生活リズム、室内環境を把握できる
ASD株式会社 >> まもる~の        
睡眠データを細かく確認
株式会社 エヌジェイアイ >> 安心ひつじα        
睡眠状態とバイタルをマットセンサーでチェック
株式会社カレアコーポレーション >> 暮らしの安全・安心みまもりシステム              
非接触媒体のバイタルセンサ。メンタル情報を見える化
株式会社構造計画研究所 >> EVER Relief            
Wセンサーでより正確に起き上がりを検知
志幸技研工業株式会社 >> ネットミル見守りサービス              
分電盤より使用電力を細かく確認し異常を発見
都筑電気株式会社 >> Neos+Care/A.I.B          
シルエットを使用したセンサーによる動作予兆
東京電力エナジーパートナー株式会社 >> 遠くても安心プラン              
分電盤から異常を発見。アプリ表示による使用確認も
NISSYA株式会社 >> careone・ケアワン          
一定時間動きがないまたは継続して動きがある場合の検知もおこなえる
パナソニック株式会社 >> エアコン見守りサービス        
エアコンの遠隔操作、活動状況の確認など可能
富士通株式会社 >> 見守りソリューション          
呼吸音や生活音から異常を発見。音響による見守り
株式会社プラッツ >> 離床センサー          
Wセンサーでより正確に起き上がりを検知素早く離床を予測
株式会社平和テクノシステム >> Yuiコール    
室内状況やバイタルなど総合的に確認
ミネベアミツミ株式会社 >> ベッドセンサーシステム        
ベッドのキャスター下にセンサーをセット。体重等も測れる
株式会社ラムロック >> みまもりCUBE            
カメラを使った画像認識検知をメイン
株式会社ワイヤレスコミュニケーション研究所 >> 見守りふくろう        
顔認識センサー、体温センサーなども接続できる
  • 室内環境
    湿度や温度など計測。熱中症や低体温症、インフルエンザなどの病原菌拡散を防ぐ。
  • 健康状態
    バイタル情報(心拍・呼吸数など)を計測。体調異常をいち早く見つけられる。
  • 睡眠状態
    バイタル情報や体動などから検知。しっかり睡眠が取れているか確認できる。
  • 離床・在床
    ベッドからの入床、離床などを検知。徘徊やひとり行動を防ぐ。
  • 起き上がり
    上半身を起こす動作を検知。転落による事故や徘徊を防ぐ。
  • 動作検知
    人感センサや開閉センサで人を検知。声掛け等により徘徊を対策。
  • 家電情報
    家電の使用量を計測。使用した家電状況で生活の動きを確認できる。
  • 集中管理
    さまざまなセンサーからの入居者の情報を集約。施設をまるごとひと目で把握できる。

展示会で気になった今どきの見守りシステム

展示会を見て回った時に気になった最新の見守りシステムをご紹介します。

ドップラーセンサーでストレスや精神疲労度が分かる?

暮らしの安全・安心みまもりシステム(非接触・無拘束型バイタル感知センサ)

非接触タイプであるドップラーセンサーは、通常の床に引くマットタイプのバイタルセンサーと違い体に触れることなく測定できます。センサー範囲は5M以内で金属などの遮りがなければ、自由に設置できます。
さらに新技術としてゆらぎ解析技術を搭載。この技術は心の状態をバイタルを通じて検知することができます。例えば脈拍の変動から自律神経のゆらぎを、脈波カオスから精神状態のゆらぎを確認。このことから今のストレス状態や精神疲労度、認知症の初期段階の発見など入居者に対して対策を練ることが可能です。

生活音を聴き分けて異常を検知するセンシングシステム

居住者の見守りソリューション

音響や人感など独自なセンシング技術で異常を発見。プライバシーを配慮しながら生活状況を見守れる新たなシステム。
生活音を集音し、解析することで異常を検知。例えば下記のような時に異常を知らせることができます。

  • 24時間無音時(テレビやラジオなどの音と通常の会話の聴き分け可能)に通知
  • せきやいびき、呼吸の乱れをデータとして蓄積し異常があった時に通知
  • ベッドからの転落など普段ない異常音が集音された場合

在宅介護や訪問介護事業社にオススメなサービスです。

http://www.fujitsu.com/jp/solutions/innovative/iot/uware/solutions/svuw-bb/

施設まるごと見守りナースコールシステム

見守り統合型ナースコールシステム『Yuiコール』

さまざまな見守りシステムを組み合わせ、施設全体を見守るナースコールシステム。
心拍数や呼吸数などのバイタル情報、温度や湿度といった環境情報、起き上がり・離床・体動などの睡眠状態、カメラを使った映像での見守り、入退室確認など複数のデータを使って見守り。集中管理画面による一括管理で見守り情報を簡単に把握できます。

新型ナースコール「Yuiコール」
シンプルから高機能まで、本当に必要な機能だけを自由に組み合せできる『自由設計のナースコール』。ICT・IoT技術の活用で自動見守りも実現し、少人数スタッフでの「業務負担の軽減」と「施設価値の向上」を低コストで可能にしました。

センサーが人の動きを映像化。プライバシーに配慮した見守り

Neos+Care/A.I.B

見守り支援機器(介護施設型)の優秀機器認定をされた見守りロボット。センサーで人の動きをシルエットとして映像化でき、細やかな起き上がりや端座位、柵越え、ずり落ち、入室、退室などを見て確認できます。
センサーで映像化させた理由は、プライバシーの件からカメラでのクリアな画像では国からの認定がおりず、設置時補助対象から外されてしまうためこのような技術を使用してるとのことです。

Make New Value その先へ | 都築電気
お客さまのネットワークと情報システムに、最適なソリューションお届けします。

分電盤にセンサーを取り付けるだけでココまで分かる!

ネットミル見守りサービス

分電盤からどの家電を使用しているのか確認できるサービス。家電使用量を見ることで生活リズムが把握でき、高齢者の生活を見守れます。例えば暑い日はしっかりエアコンを使用しているのか、毎日炊飯器を起動させているのか等を見ることで1日の生活をしっかりとおこなっているのかを把握することができます。このように電気から見守ることでプライバシーに配慮しながら高齢者を見守れます。
在宅介護や訪問介護事業社にオススメなサービスです。

展示会を通して感じた見守りについて

見守りシステム

複合センサーによる見守りが主流な時代に

今回、見守りシステムの展示を周り気づいたことは、”ひとつのセンサーで見守るのではなく複数のセンサーを組合せて様々な状況、状態を同時に確認し管理する”点です。
以前はベッドから出ることを知るために、ひとつのセンサーで離床を検知し通知していました。しかしそれではすでに動作をしてしまった後しか分からず、行動が後手にまわり入居者が危険になる可能性が高いという不安があります。しかし昨今では複数のセンサーを利用し入居者がベッドから起きようとする予測時点で通知し、危険を回避する確立を上げることができます。他にもバイタルなどの情報から入居者が自分で申告しなくても体調の悪さを把握し、早めの対処をおこなえるようになりました。
このように複合センサーを使った見守りでより入居者の安全を確保できるようになり、またスタッフに対しても負担の軽減を測れるようになっています。

集中管理の需要が集まりワンシステム化が進む

見守りシステムと共に導入する提案が多かったシステムが集中管理です。集中管理はスタッフルーム(事務室)に設置されたモニターから、各居室の状況をひと目で把握することができるソフトウェアです。ナースコールとの連携をおこない、呼出状況と見守りシステムを同時に確認できる画面を提供している企業も多くありました。
このように見守りシステムと他のシステム(ナースコールや介護記録)を連携させワンシステムのように動作させる集中管理システムは介護施設からの需要も高まり今では欠かせないシステムのひとつとして今後見守りシステムの導入に関わってくるのではないかと思われます。

まとめ

人材不足を補う職員の業務改善と高齢者を守るより細やかな対応が見込める見守りシステム。入居者のサービス向上として施設の宣伝ができるだけでなく、介護スタッフに働いてもらうための職場環境の向上としても導入する価値があります。どのような見守りシステムが施設に合うのか是非ともそれぞれの商品をご確認のうえ検討してみてはどうでしょうか。

CareTEX2018とは

ケアテックス2018

「CareTEX(ケアテックス)2018」は、2015年から開催された、【国際】介護用品展/介護施設産業展/介護施設ソリューション展 – 介護用品・高齢者施設向け設備・備品/サービスが一堂に集まる展示会の第4回目。日本最大級の商談展示会です。

  • URL:http://caretex.jp/
  • 東京ビッグサイト(有明・東京国際展示場)東展示棟(4, 5, 6ホール)
  • 日時:2018年3月14日(水)~16日(金)の3日間
  • 主催:ブティックス株式会社
  • 後援:(公社)関西シルバーサービス協会、 高齢者住宅経営者連絡協議会、 (一社)シルバーサービス振興会、 (一社)全国介護付きホーム協会、(一社)日本アクティブコミュニティ協会、 (一社)日本衛生材料工業連合会、 (公社)日本栄養士会、 (一社)日本介護協会、 (一社)日本介護支援専門員協会、日本介護食品協議会、 (一社)日本ケアマネジメント学会、 (一社)日本作業療法士協会、 (公財)日本障害者リハビリテーション協会、 (一社)日本福祉用具供給協会、 日本ホームヘルパー協会、 (公社)日本理学療法士協会、 福祉住環境コーディネーター協会


ケアテックスで見たナースコールシステムについてまとめた記事はこちら
ケアテックス2018参加録!~介護現場向けナースコール編~
介護業界最大級のBtoB展示会「CareTEX2018」に参加してきました。今回、「ナースコール」に関する企業を中心に訪問。出展企業の製品について、それぞれの特長や感じたことを報告していきたいと思います。