介護用ベッド

知っていますか?介護ベッド用手すりの事故。12年で79件!

消費者庁が介護ベッド用の手すり事故に対して、注意喚起の公表※1をしました。2007年~2018年の介護ベッド用の手すりによる事故の統計をとった結果です。事故数を見ると12年間で79件もの事故が発生しており、死亡事故にまでつながった事件は、43件に及びます。
このような痛ましい事故が今後発生しないように、施設にある介護ベッドを一度見直してみてはいかがでしょうか。ここではまずどのような危険があるのか、どういったベッドが危険なのかを解説していきたいと思います。

12年間で死亡事故が43件!【事故発生件数】

まず介護ベッド用の手すり事故件数について、詳細を見ていきましょう。

事故発生件数(当該事故含む)

  • 2007年度 12件(うち死亡 8件)
  • 2008年度 15件(うち死亡 3件)
  • 2009年度 7件(うち死亡 3件)
  • 2010年度 12件(うち死亡 6件)
  • 2011年度 11件(うち死亡 8件)
  • 2012年度 8件(うち死亡 6件)
  • 2013年度 1件(うち死亡 0件)
  • 2014年度 4件(うち死亡 3件)
  • 2015年度 2件(うち死亡 1件)
  • 2016年度 2件(うち死亡 1件)
  • 2017年度 4件(うち死亡 3件)
  • 2018年度 1件(うち死亡 1件)
  • 合計 79件(うち死亡43件)
※平成30年11月16日時点 ※消費者庁調べ

この統計を見ると派生件数を調べ始めた年と比べ、少しづつ事故が減っていることが分かります。減少した原因としては、2009年度にJISの改訂をし、手すりの隙間の基準が強化されました。そして翌年に厚生労働省が病院、介護施設、福祉用具事業者に点検等を義務付け、件数の減少に効果を表したと推測されます。

介護ベッド用の手すりには、どういった危険性があるの?

では手すりによってどのような事故が引き起こされるのか。図を見ながら見ていきましょう。

ベッドの危険箇所

一番危ない状態は、隙間の中に自分の頭や首が挟まってしまうことです。古いタイプのベッドはたくさんの危険な隙間があり、注意が必要です。特に挟まりやすい個所はサイドレールの隙間、サイドレールとヘッドボードの間、サイドレールとマットレスの間になります。
また隙間に腕を挟んでしまうと身動きができない状態になり、それを外そうと変に腕を捻って骨折する可能性もあります。

ベッドの危険性 ※消費者庁:消費生活用製品の重大製品事故に係る公表についてを参照に平和テクノシステムが作成

今使ってるベッドは大丈夫?

先程JIS規格の改訂(2009年3月20日に改正された在宅用電動介護用ベッドの日本工業規格(JIS T9254:2009)の規格)により新JIS規格の認証を得ているものは、隙間の基準が高く安全に使用できるベッドと言えます。
しかしそれ以前の規格のものや新JIS規格に沿っていないベッドに関しては、今一度安全性を確かめてみる必要性があります。

安全じゃないベッドだったらどうしたらいいの?

ではお使いのベッドが古い機種のもので安全性に問題があった場合、どうしたらいいのか。下記を見ていきましょう。

一番安全なのは”新しいベッド”に交換すること

古いベッドを使用している場合、新JISの規格に沿った新しいベッドに入れ替えることが一番安全でしょう。ご参考のために介護用ベッドで有名な2つのメーカーをご紹介します。

パラマウントベッド

パラマウントベッドは、介護・医療の分野で高いシェアを確立しているメーカです。新JIS認証を取得したベッドはもちろんのこと、転落のし辛い低床用電動ベッドや床ずれが起こりにくいマットレスなど介護・医療分野における信頼度の高い製品を取り揃えています。

パラマウントベッド株式会社 | PARAMOUNT BED
パラマウントベッドは1947年の創業以来、医療用・介護用ベッド、マットレスなどの製造、販売を行なっています。先進の技術とやさしさで、安全で安心な製品やサービスを提供して参ります。

フランスベッド

フランスベッドは2009年から新JIS規格に沿った介護用ベッドを販売しています。隙間のサイズを考慮し、身体や衣服が挟まれにくいよう安全性の高いベッドや転落を考慮した低床用ベッドなど、多様なベッドを取り揃えています。
また見守りロボットのニーズにより、ベッドだけで見守れる「見守りケアシステムM2」を開発。ベッドに内蔵したセンサーでベッド利用者の体重やバイタル、ベッド周辺の温湿度、利用者の危険行動を検知することができます。

医療・福祉施設 – フランスベッド
フランスベッドの医療・福祉施設のお客様向けのホームページです。医療・福祉施設における製品情報とお問合せ先のご案内です。

購入が困難な方は応急処置で危険をカバーしよう

消費者庁が配布している”消費生活製品の重大製品事故に係る公表について”※1の記述の中にベッドの隙間を対処する方法が掲載されていたので引用します。

・隙間を塞ぐ対応品を使用する。(対応品の内容については、各メーカーに御相談ください。)
・クッション材や毛布などで隙間を塞ぐ。
・手すりなどの全体をカバーや毛布で覆い、手すり自体の隙間に頭や腕などが入り込まないようにする。
・危険な状態になっていないか、定期的にベッド利用者の目視確認を行う。

隙間対策用のクッションは専用の物もあり、気軽に購入もできるのでこれらのグッズを利用して手すりの危険性を下げることをオススメします。

まとめ

手すりだけじゃない、転落にもご注意を
危険な手すりの隙間を対処し、さてこれで安全、、、とはまだいきません。介護事故に関わる製品で、一番多いのはベッドです。特にベッドから出ようとする行動が一番危険と言われ、そのまま転落・転倒事故につながる恐れがあります。
そこで重要になるのが、センサーによるベッド利用者の行動チェックです。手足に不自由のある高齢者がひとりでベッドを降りる行動をする前に、介護職員へ通達できます。これにより駆けつけた職員は、高齢者の介助を行えます。
このように手すりだけでなく、IoTを取り入れ一歩進んだ介護ベッドを導入してみてはいかがでしょうか。

弊社では、ベッドで見守れるフランスベッドの”見守りケアシステムM2”と連携できるナースコールを販売しております。興味を持たれた方は、下記リンクよりご覧ください。

見守りナースコール(24時間365日見守り・看取り介護)
介護向け見守りシステムで、介護施設入居者の生活全般を総合的に見守ります。心拍数、呼吸数、温度、湿度、離床、徘徊等のセンサーが24時間365日見守るので、スタッフの業務を低減と精細な見守り対応が可能になります。

出典情報

※1 消費者庁:消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について