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困ったナースコールの連打!~想定されるケースと対処法~

何度も何度も同じ入居者から、ナースコールを呼び出されることがあります。連打の理由は様々ですが、入居者によっては軽い理由で何度もナースコールを連打してしまう人が居ます。とは言えナースコールは入居者からの大切なメッセージですから、呼出しがあれば対応するのは当たり前のことです。
しかし、夜間などスタッフが少ない人手が足りない状況では連打に対応するのは難しく、本当に必要なコールを逃してしまう可能性もあります。そこで今回は、ナースコールが連打される場合に想定されるケースと、その対処法について考えてみたいと思います。

ナースコールを連打してしまうケースと対策

ナースコールを連打してしまう入居者は、どんな状態にあるのでしょうか?おおまかに分けると、2つのケースが見えてきます。

ケース1:連打する理由があるケース

連打の理由があるケース

特定の理由があってナースコールを連打してしまう場合、その理由を見極め、事前にその問題が起こりにくくなるように対策していくことが有効です。特定の理由としては、例えば以下のような事が当てはまります。

頻尿(排泄)

ナースコールを連打してしまう特定の理由、一つ目は頻尿です。頻尿などの排泄関係でのナースコール連打は、特に夜間によく見られます。
この場合、膀胱炎などの病気が潜んでいないか、薬や飲食物に利尿作用がないか、まずは頻尿の原因となる事がないか見極めます。特に原因が見当たらない場合でも、排泄日誌を取り、「レクリエーションをたくさんやった日は夜間排尿が少なくて済む」などの排泄のリズムを確認し、それに応じて対処法を絞りこんでいきましょう。

対処法

最近では、尿のたまり具合を判断できるIoT機器があります。
こういった機器では尿量が多くたまった入居者がいるとアラート画面が出たり、排尿のタイミングを学習する人工知能(AI)機能も備えていたりするため、呼び出しのタイミングが重ならないように、配慮した排尿介助をおこなうことができます。

難聴

続いて、難聴によってナースコールを連打してしまうケースがあります。ナースコールに応答したスタッフの声が聞こえていないため、連打してしまうケースです。そのため、不安で何度も押してしまいます。

対処法

ちゃんと会話ができているか、日頃の確認が大切です。相手にちゃんと届いていないと感じる場合は、補聴器をつけてもらう必要もあるかもしれません。また、耳が悪くて呼び出せているか不安といった場合には、呼び出し時に光って知らせるようなライトを該当の居室に設置することも対策としてあげられます。

認知症

最後の特定の理由は、認知症です。認知症の利用者さんからのナースコール連打の場合、そもそもナースコールの意味が理解できずに握りしめて離さない場合や、特に理由もなく押している場合があります。利用者の状態にあわせたナースコールの設置、呼び出し方法を選択して対策をこうじましょう。

対処法

認知症の場合、連打を解消させるのは困難かもしれません。そこで見守りカメラなどを付け、呼出しごとに居室に行かなくても居室の状態を判別できるようにする対策も可能です。
また、自発的に呼び出しが困難なような重篤な場合では、各種センサーを利用した呼び出しに変更する対応も有効です。

ケース2:精神的な理由から連打してしまうケース

精神的な理由のケース

特定の理由がなくナースコールを連打してしまう場合では、精神的な要因が考えられます。
精神的な要因の場合、連打してしまう利用者の本当の欲求を探り、それに合わせて対処していくことが大切です。精神的な要因として、以下のような心情になっている可能性があります。

さみしさから連打してしまう

精神的な理由の一つ目は、「かまってほしい・さみしい」という心情から、ナースコールを連打してしまうケースです。

対処法

こういった心情のケースでは特に、定期的な声掛け・会話をしてあげることが重要とされています。
また、レクリエーションをより充実させ、活動量を増やすことで気持ちにハリを持たせることも有効です。
コミュニケーション用の介護ロボットも近年登場しておりますので、そういったAI機器を利用することもできます。

眠れなくて不安で連打してしまう

精神的な理由の二つ目は、夜への不安です。生活リズムが乱れて昼夜逆転してしまい、夜間目が冴えてしまいつらくて連打しているケースがあります。

対処法

夜眠くならないのであれば、まずはレクリエーションなどで昼間の活動量を増やしてみることが有効です。それでも寝ないのであれば、専門医に相談して眠剤を処方してもらうなどの対策も必要かもしれません。

連打対策には、ナースコールシステムが活躍?!

ナースコールの連打対策には、連打をしてしまう原因や理由そのものを探る作業が必要になります。そんな時に有効なのが「介護記録連携ナースコールシステム」や「見守りナースコールシステム」「見守りカメラ」です。

介護記録連携ナースコールシステムのポイント

呼び出しの回数や時間を把握

介護記録連携ナースコールシステムでは、ナースコール呼出しの頻度や時間を介護記録に反映することで、連打問題を把握できます。
介護記録ソフトとナースコールの連携により、「どういった時に呼び出しが多くなるか」など、より詳細な傾向を把握することができるでしょう。

見守りナースコールシステムのポイント

呼び出し時の傾向を把握

ナースコール連打の問題は、連打してしまう原因が分からなければ対策ができません。その原因を探るために有効なのが、見守りナースコールシステムです。
見守りナースコールシステムは、入居者の状況(バイタル情報や環境情報)をセンサーが自動的に把握し、記録することができます。頻繁に呼出しがある時間帯の記録と合わせることで、原因の推測ができるようになります。たとえば、夜間の体動が増えてきたタイミングでのナースコールが多いケースなら、「夜、眠れないためにナースコールの呼出しが増えてきたのでは?」などの仮説をたてて、次の対策に移ることができます。

見守りカメラによる対策のポイント

見守りカメラでスムーズな対応を

また、ナースコールの連打があった時の現場状況を対応に向かう前に確認した場合も多いかと思います。そんな時、見守りカメラがあれば状況をすぐに把握することができます。目視で確認してそこまで重要度が高く無いと判断した場合、その場での通話対策で完了するケースもあります。
対応の優先順位をつけることもできるので、安心で効率的な呼び出し対応が実現します。

まとめ

ナースコール連打の理由イメージ

前述した通り、ナースコールを連打してしまう理由は大きく分けて2つのケースがありました。
事前の対策によって、ある程度軽快する可能性が高いケースも多いかと考えます。
声掛けなど巡回の質や頻度の改善もあわせて対処しつつ、必要に応じて各システムの導入を検討してみるといいかもしれません。