介護の現場でも活躍!インカムの使い方~ナースコールでもっと便利に
人手不足を抱える介護業界で着目されている、ICTの活用。その中でも最近導入が増えている、インカムシステムをご存知ですか?
今回は、厚生労働省の「より良い職場・サービスのために今日からできること(業務改善の手引き)」※1を元に、介護施設の生産向上・業務効率化・環境改善のために役立つインカムを活用した事例と、より便利な使い方ができる商品について、ご紹介したいと思います。
目次
介護職員の業務サポートをするインカムシステム
介護施設では様々な業務があり、介護職員は時間に追われています。業務を円滑に回すためには、情報共有が大切でしょう。そして必要な情報を最適なタイミングで共有するためには、できればリアルタイムでのやり取りが好ましいでしょう。
そこでおすすめしたいのが、インカムシステムです。インカムでのリアルタイムのやり取りは、業務に支障をかけずにサポートを期待できます。以下、厚生労働省の「より良い職場・サービスのために今日からできること(業務改善の手引き)※1」からピックアップしたインカムを使った理由・対策とその結果です。詳しく見てみましょう。
【1】インカムの使用で、情報共有に要する時間を短縮する
課題
四階層に分かれている施設で、各フロア間での連絡や入浴担当者との連絡を内線や全館放送で行っていたので、職員を探すことも負担になっていた。
対策
インカムの使用方法についてまとめた資料を作成し、保管方法・取り扱い・発信方法などの運用ルールを定めて、インカムの試験運用を行った。
運用開始後の会議でインカムの使用状況を確認し、注意点等について発信し使用を促した。
インカムを運用している中で出てきた注意点や疑問点を職員相互に確認・解決した。
成果
インカムの運用ルールを定めることにより、フロア間での情報共有による時間の短縮ができた。 また、協力体制ができチームワークの向上にも役立った。
【2】インカムの使用で、入浴業務時の職員間連携強化
課題
入浴業務時の利用者の移動・職員の呼び出しや、離席する時の連絡を内線で行っていた。
そのため、職員を探す時間・待つ時間が長くかかり、全体の運営が遅れ、日勤リーダーの介護職員の残業が目立っていた。
対策
インカムを導入することを施設長が各職種のリーダーに説明し、合意を得た。
インカム導入に先立ち、使用手順だけではなく、入浴業務時に共有する内容やその発信方法を決めた。施設長の下、各職種リーダーがインカムの使用を練習し、その後リーダーが職員に使用方法を教えた。使用を始めて3週間経過後、職員にヒアリングし、疑問点を解消した。
成果
時間内に業務を行う意識が芽生え時間を有効に使えるようになった。
利用者の入浴が終わるタイミングをインカムを使って共有することで、入浴後すぐに看護師による処置を受けることができるなど利用者の待ち時間が無くなった。
【3】インカムの使用で、リスク回避に繋がる
課題
SOSを出したい時や連絡事項がある時など、PHSや内線などで職員を探すことに大きな時間を割いていた。
困っている時に、すぐに対応できる職員が駆けつけることができないことがあった。
また、申し送りなどの情報共有にかかる時間が、全体の業務の20%と大きな割合を占めていた。
対策
インカム導入当初は、発信のルールを細かく決めるのではなく、簡単なやり取りでも構わないので、職員同士でインカムを使ってみることに重点を置いた。
ユニットと名前と先に言った後に要件を短い言葉で伝えるようにした。
困った時にもすぐに他の職員が反応できるよう、「了解」「あと二分で」など一言でも構わないので返事をすることをルール化した。
重要な情報は、インカムだけで共有するのではなく、パソコン上の共有システムなど目に見える形の他の手段でも共有し、モレを防いだ。
成果
常にリアルタイムで状況を確認し合えるため、職員間の連携が良くなり、すぐに助けが呼べるようになった。
申し送りなどの情報共有にかかる時間と職員を探す時間が大幅に減った。
実例から見えてくる、介護現場のインカム事情
介護現場でインカムが必要とされている理由
まず、介護職の仕事が業務が多い+移動が多い状態で人手不足の現状があること。加えて、スタッフがそれぞれ離れた場所で業務を行っている状態ですが、利用者のことなどで協力や相談する時間は必要という背景があります。これらの課題をうまくカバーするのに、インカムが活躍するということですね。 実例では、インカムによって情報共有がリアルタイムでできるようになることで各自の業務が円滑化し、効率的になったのが分かりました。更にインカムなら手が塞がらないので、作業の邪魔をしないのもメリットとして挙げられます。
介護現場ではどんなインカムが最適か?
では、介護現場で使うのにふさわしいインカムはどのような製品でしょうか?まず「インカム」と一言で言っても、いくつか種類があります。
種類としては、手軽に使える交互通話のトランシーバー型、電話のように使える同時通話型、アプリをDLして使えるスマホ型、構内子機に接続して使うPHS型などがあります。
運用の目的や使い勝手に合わせた選択が必要です。また、介護現場では巡回の際に持ち歩く物が多いため、できる限り荷物にならない製品を選ぶのも大切かもしれません。
プラスαで業務を円滑化!おすすめのインカムの使い方
例によってインカム活用による介護施設の業務改善事例が登場している中、よりおすすめしたいのが介護施設に必要な「ナースコール」と連携した「インカム+ナースコール」システムです。インカムとナースコールの連携とはどういうものか?詳しく見ていきましょう。
ナースコールとの連携でもっと便利に
インカムとナースコールの連携である「インカム+ナースコール」は、その名の通りナースコールをインカムで使用する端末で受けられるシステムです。
これは、ナースコールシステムで使われているPHS=ナースコールを受けるハンディナース端末を、そのままインカム端末として利用できるため、「利用者からの呼び出し対応」「職員同士の相談」をハンズフリーでリアルタイムに端末1台で行えます。
ナースコールがかかってきた場合は、グループ通話中でも優先的にナースコールの通知がされるので、誰が対応するか等もそのまま話しながら決めることができます。応答した際は、呼出のあった利用者との通話に切り替わります。
インカム+ナースコールシステム接続イメージ
インカム+ナースコールシステムなら、「常時接続型のスタッフ間グループ通話」「ナースコール対応」の実現はもちろん、外線への発信やインターホンからの来客対応も可能です。
「インカム+ナースコール」のシステムについて、詳しくはこちらをご覧ください。
インカム+ナースコールシステム
まとめ
インカムの導入によって、介護施設の業務が円滑化され、効率化に繋がることがわかりました。更にインカムとナースコールが連携したシステムなら、介護施設に必要なナースコール対応まで一括で円滑化・効率化も実現することがわかりました。
インカム+ナースコールシステムの導入で、円滑な介護施設運営を実現しましょう。
出典・引用資料
- (※1)厚生労働省: より良い職場・サービスのために今日からできること(業務改善の手引き)[PDF]