IP電話
読み:アイピーでんわ　スペル:IP Phone

IP電話とは、通常のNTT電話網を利用するのではなく、インターネット網を利用した電話サービスのことです。

音声データをやりとりする電話網と異なりデジタルデータ通信のインターネット網はそのままでは音声データをやりとりすることが出来ません。そこで音声をデジタルデータに変換するVoIP技術を利用しIP電話の音声データ送受信を可能にしています。

• IPとは、Internet Protocol（インターネットプロトコル）の略で、データ通信を行う方式のことです。
• VoIPとは、Voice over Internet Protocol（ヴォイス・オーヴァー・インターネット・プロトコル）の略で、本来デジタルデータ伝送のためのインターネットやイントラネットなどのTCP/IPネットワーク上で音声データを送受信するための技術。

IP電話のメリット

最大のメリットは、通信コストの削減にあります。
IP電話の通信には「インターネット」を利用しています。現在では、インターネットの接続はブロードバンド化され（CATV、ADSL、光接続など）、常時接続の定額制が一般的です。また、インターネットは世界に開かれたネットワークであり「距離」という概念がありません。このインターネット網を使うことで「距離に関係ない」「低価格（＝定額）」な電話通信が可能になるのです。

つまり、IP電話同士ではNTTなどの設備を使用せず、IP電話から一般加入電話番号へかけられる場合も、最寄のNTT局までの間をIP網を使いますので、市内通話に匹敵する低額料金で利用することが出来るのです。
同一のIP電話サービス提供会社（キャリア、プロバイダーともいう）間の通話は無料の場合が多く、複数拠点を持つ企業などでは「専用線」の導入よりも低コストで通信費の大幅な削減ができます。サービス提供会社間での提携（グループ化）も進んでいて、同じグループ内であれば通話料金は同じく無料となります。
海外との通話料も、プロバイダによって異なりますが１分間の料金が9円（アメリカ）や30円（中国）など一般加入電話の約1/5以下の料金となり、海外に拠点がある企業での国際電話料金のコストダウンも可能です。

• IP電話技術の応用でIP網で低額でFAX通信を行う「IP-FAX」というサービスもあります。
• IP電話を利用したフリーダイヤル代替サービス「フリーボイス」というサービスもあります。

IP電話のデメリット

番号が０５０から始まる専用番号になる
電話番号が「050」から始まるIP電話専用番号となりますので、事業などでIP電話を利用する場合には対外面で不都合がある場合があります。

かけられない電話番号がある
110番や119番、104（番号案内）や106（コレクトコール）、0120（フリーダイヤル）などけられない番号があります。

プロバイダーの変更で電話番号が変わる
番号ポータビリティで引き継げる場合もありますが、通常ではプロバイダーの変更で電話番号か変わってしまう可能性があります。

通信品質が一般電話より低い場合がある
一般電話回線よりも通話品質が若干劣る傾向があます。

※IP電話の一種である「ひかり電話」ではIP電話の多くのデメリットが解消されています。

IP電話はとくにこんな用途におすすめ

特定の相手との通話が多い
本店と支店などの拠点間通話やグループ会社間の通話、特定の取引先との通話が多い場合にはIP電話のメリットを最大限に活かすことができます。拠点同士で同じプロバイダを利用すれば通話料は無料。

国際電話や長距離電話が多い
同一キャリア間なら長距離通話も無料であり、国際電話も約1/5以下の料金となる場合が多いため大幅なコストダウンが期待できます。

IP電話と通常電話のコスト比較例

市内よりも県外や国際電話をかける比率が多いほど料金的なメリットが大きくなります。

※特に記載がない価格表示については、事業者向けに税抜価格で表示しております。