アイリス(●スペル : iris)
アイリスとは、レンズに取り込む光の量を調節するカメラにおける絞りの機能を、レンズが行うことを言います。
また、このアイリス(絞りの大きさを数値化したもの)をF値と呼びます。
画質に重点を置いた場合、カメラのアイリス(絞り)を調節機能はかなり重要な役割です。アイリスが働く事で画像センサーは最適な光量を得ることができ、正確な露出の画像を得られます。アイリスはピント調節にも使用することができます。アイリスの種類について、以下の3つに分けられます。
【1.手動(マニュアル)アイリス】
手動アイリスレンズでは、絞りを手動で調整します。自動調整ではないので設置時の調整の状態のまま使用されます。屋外監視など、光の条件が変わる環境下には不向きです。一般的に防犯カメラとして使われることは少ないようです。
【2.自動(オート)アイリス】
F値は主にF1.0~F3.0あたりが使われますが、屋外で強い太陽光に当たる場所を映す場合には光が入り過ぎるので、白飛びになってしまうことがあります。そこでこの絞りをF3.0以上にさらに小さくするにする機能を持ったレンズがあり、その中でもカメラと連動して自動で絞りを調整する機能を「自動(オート)アイリス」と呼びます。自動アイリスレンズには、ボックスカメラなど防犯カメラで汎用的に使用される方式で、レンズに備わった絞り機構をカメラが電気的に制御して撮像素子に当てる光量を自動調整します。制御方法には、DCアイリスとビデオアイリスの2つの種類があります。この2つのアイリスの違いは、アナログ信号をモーター駆動信号に変換する電気回路の場所にあります。画像センサー内のピクセルがより小さいメガピクセルカメラやHDTVカメラの場合、強い光の射す明るい場所で自動アイリスレンズ搭載カメラを使用すると、アイリスの開口量が問題で画像がぼやけてしまうことがあります。そのため、画質は適切なアイリスの開口量を得られるかどうかにかかっているといえます。画質を最適化するために、カメラはアイリスの開口量を制御できる必要があります。自動アイリスレンズの場合、カメラやユーザーがこの制御を行うことはできません。
上記で述べたように、自動(オート)アイリスにも欠点があります。
そこで、Pアイリスをご紹介します。
【3.Pアイリス】
スウェーデンのAxis Communicationsと日本の興和株式会社によってはじめて開発されたPアイリスは、Pアイリスレンズと画質を最適化する特殊なソフトウェアから形成されます。Pアイリスはコントラストや鮮明さ、解像度及び被写界深度の向上をもたらします。例えば長い通路や、広い駐車場などといった「カメラから異なる距離に複数の被写体がある」場面では、それらに対して同時に焦点を合わせるといった場合、適切な被写界深度を得ることは必須です。強い光の射す明るい場所において、Pアイリスは開口量が小さすぎることによって画像がぼやけることを防ぐため、アイリスを閉じすぎないように制限します。ぼけを防ぎ、同時に自動調整されるアイリスは、照度変化の激しい屋外監視の場面に最適です。Pアイリスによる高度なアイリス制御は、メガピクセル・HDTVカメラ、要求の厳しいシチュエーションでの適用にとって有益となります。
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